運命は交差している | ナノ
02

失恋した――。

bbbはからっぽになった心を癒すため、いつもサンジがいる調理室に向かった。
がらりと扉を開けると、そこには嬉しそうな顔をしているサンジ。
bbbと顔を合わせると、その顔は一変して心配した表情を見せ、サンジはbbbに近寄った。
「どうしたんだい、bbbさん?」
「サンジ…っ」
bbbはサンジの胸に飛び込んだ。
「…bbbさん」
それ以上何も言わず、サンジはbbbの背中を摩り続けた。
「失恋した…」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら涙を拭うbbb。
「…失恋?」
サンジがそう言った瞬間、扉の方でガタリと音がして、二人はそちらをさっと向いた。
「なんの、音?」
「なんだろ」
サンジは扉の方に近寄り、ガラリと開くと、そこには誰も何もいなかった。
「…!」
サンジは廊下にあった何かを拾って、きょろきょろと周りを見た。
「サンジ?」
「ごめん、ちょっと行ってくる」
そう言って、サンジは走ってどこかに行ってしまった。
bbbは一人おいてきぼりをくらって、仕方なく調理室を後にした。
(誰でもいいから慰めて…)
そう思っても誰かが近寄ってくるわけでもなく、bbbはそそくさと家に帰った。

その夜、サンジからメールがきた。
「"何があったの。レディの涙が忘れられない"ね。こういうのって、彼女に言うべきことよね…」
はぁ、と溜息を吐いて、bbbは今日あった出来事を文字に書き起こして、サンジに送った。
すると、サンジのメールには「それは失恋じゃないかもしれないよ」と書いてあった。
ベッドに蹲って、bbbは静かに泣いていた。

知ってるでも不安なの怖いの誰か助けて。
もしそうだったら、私は、死んでしまいそう。

不安を抱えたまま三ヶ月が過ぎた十月、久しぶりにサンジのもとに行った。
「サークルないって聞いたから、来ちゃった」
「こんにちは」
に、と笑ったサンジは、イスを引いてbbbを座らせた。
「bbbさん、聞いてくれよ。おれ、aaaちゃんと付き合うことになった!」
「…おめでとう!」
頬が綻んで、目をハートにさせて体をくねくねさせるサンジ。
「クソやべーよ、可愛い…っ、あぁー会いたくなってきた」
「うざ…」
「ひでェな」
はっ、とbbbが笑うとサンジも頬杖をついて笑った。
何分かして、サークルはないはずなのに扉が開いた。
bbbとサンジの目線が扉に向く。
「あ、aaaちゃん!」
サンジがaaaを手招きして部屋へ入れる。
bbbはaaaに自己紹介をしていると、あまりにもラブラブしていたせいか、僻みのような言葉が口をついた。
「告白しちまえばいいんじゃねぇのかな」
サンジがそう言った。
疑問符を浮かべるaaaに説明するサンジ。

年齢差、叶わない恋。

「友人に相談してもありえないとか言われて…、やっぱりそうよね」
前に友人にシャンクスのことを話したら引かれてしまった。
社会で大幅な年齢差がどれほど敬遠されるか思い知らされた。
「そんなことないです!!」
aaaが、叫んだ。
bbbは目を丸くした。
「誰かを好きになるって素敵なことだと思います!年齢なんて関係ないです!!」
aaaが力強く言った。

恋愛って、そっか、シャンクス教授が好きってことは変えられない事実で――諦めることも踏み止まることもきっと出来ない。
本当に好きって思っているのなら、付き合うことは二の次なのかもしれない。

いつのまにかbbbは微笑んでいた。
bbbはaaaにお礼を言ってから立ち上がると、手を振って調理室の扉を開くと、ぴたりと歩みを止めた。
「…私もaaaさんのこと応援してる。なにかあったら私に言ってね」
bbbは調理室から去っていった。

ダメ元でしてみようかな、告白。


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