運命は交差している | ナノ
08

サンジ先輩の家にお泊りです。

サンジの家は綺麗なアパートだった。
部屋は質素で、家具も生活できる程度のものだけしかない。
「綺麗ですね…」
「んなことねぇよ」
サンジはテーブルに携帯と財布を置いてテレビを付けると、キッチンに向かっていった。
「私の部屋なんかまだダンボールだらけだし…」
大学のことなど色々あって、まだaaaの部屋のダンボールは片付けられてない。
「はは…、今度手伝いに行くよ」
「そんなっ、いいです…!」
「遠慮すんなって」
サンジがエプロンをつけながら、軽く笑った。
「…私の部屋、汚くても笑わないでくださいね」
aaaは顔を赤くしながらそう言った。
「うん」
サンジはキッチンに向き直って、冷蔵庫を開けた。
「今日は仕込んでおいたスープと鮭があるな」
鮭を取り出すと、フライパンに乗せて焼きはじめた。
そして素早く玉ねぎとエノキを切って、フライパンで一緒に炒めた。
スープを温め、その間aaaにご飯をついでもらい、夕食は完成した。
「即席だけどいい具合に仕上がった!召し上がれ!!」
誰かと食卓を囲むのは、aaaにとってもサンジにとっても久しぶりだった。
aaaは箸で鮭とエノキをつまむと、口に放り込んだ。
「んっ…、おいしい!」
「ありがと」
サンジは食べず、aaaが食べている様子を眺めている。
aaaはスープを飲むと、おいしくて頬が緩んだ。
「サンジ先輩って、いっつもこんなの作ってるんですか?」
仕込みとか、と目を輝かせながらaaaが問うた。
「まぁ、ね。趣味だから」
「…さすがですね。サンジ先輩は食べないんですか?」
「んー…もう少しaaaちゃんが食べてるとこ見てたい」
お茶を啜りながら微笑んだサンジは、かっこよかった。
「一緒に食べた方がおいしいですよ」
「…そうだね」
サンジは箸を取って、魚をaaaの口にもっていって「あーん」と言った。
「あ、あーん…」
口をゆっくり開いて、aaaが魚を食べようとすると。
「あ、キスしたくなってきた」
サンジは魚を皿に置いて、テーブルから身を乗り出して唇を重ねた。
「っ!」
サンジは得意そうに笑っていた。

ご飯を食べ終えると、aaaはサンジに言われるまま、風呂に入った。
「ひろ…」
自分の家よりも広い風呂を満喫して、aaaがタオルで全身を拭いていると、そこにはサンジのものと思われるパジャマがあった。
脱いでいたものはすでに洗濯機にインしている。
aaaは覚悟を決めて着てみると、普通に大きく、仕方ないと思いながら袖を折ってからリビングに行った。
「……風呂、行ってくる」
そう言ってaaaの頭を撫でて風呂に行ってしまったサンジが素っ気なく思えた。

「あークソやべぇ、元気になっちまうところだった」
シャワーを浴びながら呟いたサンジ。
自分の息子みたいな存在のそれを眺めながら、サンジはaaaを思い出した。
「…クソ可愛いなチクショウ」
サンジは熱いお湯を頭からかぶって、早々に風呂から出たのであった。

「サンジ先輩っ、これおもしろいですよ!」
aaaはテレビを指しながら、頭をバスタオルで拭きながらリビングにやって来たサンジに言った。
「んー」
サンジはaaaの横に腰掛けた。
テーブルに置いていたたばこに手を伸ばし、カチリとライターの火を付けた。
テレビではマリモみたいな緑の頭の俳優が主演のドラマをやっている。
「aaaちゃん」
たばこを灰皿に押し付け、サンジはaaaに向き直った。
「…はい?」
惜しそうにテレビからサンジへと視線を移したaaa。
「aaaちゃん…愛してる…」
サンジはaaaをソファに押し倒し、顔を近寄せた。
「あ…、う、サンジせんぱ…」
「したくねぇ?」
怯えた表情をするaaaの頬を優しく撫でるサンジ。
「…う、嬉しいです、けど、私…その…、初めてなんです…。…初めてはベッドっていうか布団でしたい…っていうか、その…」
「……わかった」
サンジはaaaを姫抱きしてベッドに連れていった。

aaaを下ろすと、ベッドを軋ませて、aaaを組み敷いた。
「aaaちゃん、好きだ。クソ愛してる」
「私も…愛してます」
恥ずかしそうに微笑むaaa。
「…一緒だな」
サンジはaaaの服を捲り上げると、下着から覗く胸にキスをした。
「ん…」
サンジがaaaの服と下着を脱がせ、胸の突起を口に含むと、aaaの体がびくんと跳ねた。
「あっ、んん…」
「感度いいなァ」
するすると体の撫で回しながら、サンジの手はだんだんと下にいって、aaaの着ているズボンに到達した。
「サンジ…先、輩…っ」
「ン?どうしたの?」
サンジはaaaの胸を揉みながら、aaaの足を持ち上げた。
「うー…ヘン、です…」
「このへん?」
aaaの濡れているところを、下着の上から手の平で包むサンジ。
aaaは甘い息を吐いた。
「気持ちいい?」
「……ちょっと」
「そっか。でも、まだだよ?」
サンジはふ、と笑って、aaaの下着を脱がせて、茂みの奥の濡れた部分を指の腹でくすぐった。
「あぁ…っ」
aaaは、全身が粟立つのがわかった。
初めての感覚に対応しきれないaaaは、どうしたらいいのかわからず、ぎゅうとサンジの手を握った。
「…いれるよ?」
aaaの中に押し入ったサンジの指。
「うっ…ん」
素直に受け入れたそこに指で何度も刺激を与えると、馴れてきたのかaaaの口から喘ぎ声が聞こえてきた。
そろそろだと思い、サンジはすでに元気になっていたものを取り出すと、入口に押し当てた。
「aaaちゃん、いくよ?」
「…はいっ」
ぐ、とサンジのものがaaaの中に入ってきた。
「いっ…ったぁ…ッ!」
さっきまでの快楽は痛みに打って変わり、aaaの口からは悲痛な声が出ていた。
「大丈夫?」
「サ…っジ、せんぱ…!」
ぽろぽろと涙を流しながら、aaaはサンジを呼んだ。
サンジはaaaに極力痛みを与えないように、動きを止めたりしながら、ゆっくりと挿入していった。
「aaaちゃん…入ったよ…」
「…ほんと、ですか?」
「うん…」
汗を浮かべていたサンジが笑うと、aaaも涙を浮かべて笑った。
「…愛してる。クソ幸せだ、おれァ」
「サンジ先輩…好きです、大好き…」
じくじくと痛むそこに、愛があった。


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