猫とケンカ

ある日の出来事。


「にゃーっ!」
「こらァ!!」
部屋を走り回る猫と、それを追い掛けるaaa。
優しくそれを見守るサンジ。
「つっかまえたぁ!」
スライディングして、猫をやっとのことで捕まえた。
aaaは起き上がり、猫を片手で抱きしめたまま、もう一方の手でソファに転がるぬいぐるみを指差した。
「これ、気に入ってたのに…!!」
糸のほつれたぬいぐるみ。
爪を立ててしまったんだろう。
「みゃあ…みゃあ…」
ゾロは鳴くだけ。
「もーっ、ゾロの馬鹿ーッ!」
aaaはゾロを怒鳴りつけてソファに下ろし、そしてキッチンにいるサンジの元に歩み寄った。
「サンジぃ…」
「aaaちゃんのお気に入りなのになぁ……クソ猫のせいで…新しいの買ってやろうか?」
サンジに頭を撫でてもらう。
aaaは首を振って、「ううん」と言った。
「これが、いいの……好きなのに…」
また瞳に涙を溜め始めるaaaの足元に、猫が擦り寄る。
「みゃあ、みゃあ…っ」
尻尾をaaaの足に巻き付け、耳を足首に擦り付ける。
「ほら、aaaちゃん」
サンジはaaaに声をかけた後、食器洗いをした。
「ゾロ…謝って…」
「みゃあっ」
ぼふっ、と音がして、煙が舞った。
「aaa…っ」
人間になったゾロにaaaは抱きしめられた。
「悪ィ…ほんと…っ」
「ゾロの馬鹿ぁ…!」
ドンドン、とゾロの胸を何回も叩いた。
ゾロはそれを受け止め、aaaの体を抱く。
「aaa…。泣かねぇでくれ…謝っから…!」
ちゅ、ちゅ、とaaaの髪に何度もキスを落とす。
ゾロは切なそうに抱きしめるだけ。
「ゾロ…………、……もう、しないで…ね」
aaaはゾロの気持ちを汲み取ったのか、腕の中からゾロを見上げた。
「悪ィ…」
ゾロはaaaの額にキスをして謝った。
aaaは背中に回していた手を首に移し、aaaからゾロに口づけした。
「ぁっ…ん、ん…」
小さく声を上げるaaaの服に手を入れ、ゾロは直接胸を揉む。
「あ…っ、ゾロ…!」
「やめろ、クソ猫!」
ごん、とゾロの背中に一発蹴りが入った。
「いってぇ!」
「サンジ…」
aaaとゾロがイチャついていた場所はキッチン。
隣ではサンジが食器洗いをしていたのを忘れていた。
「………aaaちゃん」
「えっ、あ…ごめん」
サンジを無視していたことを謝る。
サンジは首を横に振って、ゾロに抱きしめられているaaaの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「よかったね」
ふ、と笑ったサンジにどきりとした。
「うん…」
「……」
ゾロはその様子をただぼーっと眺めていた。

夜の営み。
ベッドで三人の影が動く。
「ふぅっ、う……あ!や、あっ!!」
「今日は悪かったな……詫びに気持ち良くしてやるよ」
ぐっ、と押し上げられた下腹部。
違和感が否めない。
aaaは中を擦られ、より一層高い声を上げた。
「aaaちゃん、おれのと、どっちが気持ちいい?」
サンジはaaaの後ろから、ゾロのそれが入ったaaaの下腹部を手の平で押す。
「…あぁ!」
「どっち?」
ぺろり、と首筋や背中に赤い痕を残していく。
「おれのが…っ、イイに決まって…ん、だろ…!」
肉のぶつかり合う音をさせながら、ゾロが言う。
「…ねぇ、aaaちゃん」
サンジが後ろからaaaの顔を覗き込むと、そこには涙ぐみ頬を赤らめるaaaがいた。
(うわっ…天使!?)
サンジが驚く様を気にする余裕もなく、aaaは震える口を開いた。
「あっ、どっちも…、…きもち、いい…よ」
右手でゾロの手を握り、左手でサンジの手を握った。
「あぁっ、aaaちゃん…!」
サンジはaaaを抱きしめ、aaaの首に顔を埋め、肌に吸い付いた。
ゾロはaaaの中で質量を増し、それゆえに律動を速めた。
「…っあぁ!」
aaaはただ快楽に溺れた。

体の重さから目を覚ました。
(……だるっ。すっごいだるい)
朝、ベッドの中で起きるのが億劫になるaaa。
(サンジもゾロも好きだし…三人でするのも良いけど…、体持たないよ…)
aaaは枕に顔を埋め、重い瞼を下ろした。

一時間後に時計のアラームが鳴る。



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