猫の決意

「aaaちゃんっ、今日おれ休みなんだー!」
「えっ……私今日から大学…」
「うわぁあああ!」


「ごめんね!昼には帰ってくるから!」
朝から授業があるが2コマで終わる。
「ごめんね…すぐ帰ってくるから」
「うん、……送ってあげる。お昼は食べてくる?作っておこうか?」
「サンジ……と、食べに行きたいなー…なんて、駄目?」
照れながら、aaaは言う。
「デートっ!!わかった!迎えに行ってそのまま行こっか!」
満面の笑みを浮かべるサンジに安堵の溜息を吐き、aaaはサンジとマンションの駐車場へと向かった。
主人のいない部屋で、猫がみゃあと鳴いた。

12時過ぎ。
準備の良いサンジは大学前で車を止めて待っていた。
サンジがこだわった格好良い車を、大学生が眺めている。
aaaはその車に歩み寄り、後ろの席のドアを開けた。
「おかえり、aaa」
後ろの座席には緑の髪の人がいた――。
「ゾロ!?、なんで…」
今日はちゃんと服を着ているようだ。
しかし、見たことのない、服。
サンジのではない。
「ゾロ、これ…」
くい、とゾロの着ている服を引っ張ると、ゾロがaaaの頭を撫でた。
「服着たらaaaと一緒に出掛けられるからな……買った」
独特な笑いを浮かべるゾロに、aaaはどきりとした。
「おれがな!!」
バックミラーでこちらを見遣りながらサンジが怒鳴った。
「そっか。ゾロお金持ってないもんね…。サンジ…ありがと」
「なんでaaaちゃんがーッ!!」
運転席で騒ぐサンジの肩を後ろから触った。
「ゾロの代わりに。ゾロも人間の姿で裸だと寒いし、ね」
にこ、と微笑むとサンジの頬が緩んだ。
「じゃあクソ猫が言いやがれ!!その姿だと喋れんだろ!」
サンジがゾロの方を向いて怒鳴ると、ゾロは眉間に皺を寄せた。
「あー、サンキュー」
もはや、棒読み。
「てめぇっ!」
「こらゾロっ!サンジ!」
サンジがゾロに掴みかかろうとすると、慌ててaaaが制した。
「早くご飯食べに行こ?お腹空いたよー」
ぐうと鳴った腹を押さえながらaaaはサンジを宥めた。
「…うん。どこ行こうか」
車を発進させ、適当に走る。
「ゾロはどこ行きたい?、…ていうか人間のご飯、食べれるの?」
「食える。上手けりゃなんでもいいぜ」
ゾロは隣に座るaaaの頬にキスをした。
「っ、……ゾロ、駄目」
ゾロの肩を押して、離した。
運転席にいるサンジは気付いてはいないようだった。
「サンジは…いいとこ、ある?」
「おれ?、そうだなぁ……あっ、あそことか!」
思い付くところがあったのか、サンジは車のアクセルを強く踏んだ。
「わっ」
「うおっ」
びゅん、と車が勢いよく動き、aaaはゾロへと倒れ込んだ。
「ごめん、大丈夫?」
サンジの心配する声。
「うん…大丈夫…!」
10分も経たず、サンジの目指すレストランに着いた。

レストランの中は沢山の客がいて、大繁盛の様子だ。
見た目も綺麗で、食事も最高だった。
始終サンジとゾロは言い争いをしていたけれど。
マンションに帰り、ソファでダラダラしていると、猫姿のゾロがaaaに擦り寄ってきた。
「ゾロ…」
ゾロを抱え上げる。
「aaaちゃん」
サンジに呼ばれ、サンジを見遣る。
「aaaちゃん」
キッチンで何かしていたサンジが、ソファに近づくとaaaに深い口付けをした。
「サンジ…」
「寝室、行こうか」
aaaはゾロを腕から下ろし、サンジの首に両腕を回した。
サンジはaaaを抱き上げ、寝室に向かう。
「サンジ……大好き」
「最近、クソ猫に構ってばっかでよ……寂しかったんだぜ?」
aaaの頬や唇にキスを送る。
「ごめん…」
「許さねぇ」
寝室の扉を開けたまま、aaaをベッドに寝かせ、扉を閉めに向かった。
半開きの扉から猫が入っていたことに、サンジは気付かなかった。
「aaaちゃん…、…愛してる」
たっぷりの愛情を含んだ笑顔を向けて、サンジはaaaを組み敷いた。
「サンジ、私も愛してる」
aaaは照れながら笑うと、サンジに唇を奪われた。
「はぁっ、ん…う、っ…」
舌を搦め捕られ唾液が顎を伝う。
息もしていられないほどキスに酔っていると、唇を離した。
「サンジ、愛して……」
「おれの可愛いPRINCESS、仰せのままに」
サンジがaaaの服に手をかけ、脱がしていく。
露になるaaaの下着。
その上に唇を寄せ、サンジは下着の上からaaaの胸の柔らかさを感じる。
「あっ、サンジ…」
aaaが甘い声を出した時だった。

「おい、おれも交ぜろ」

ゾロの声が聞こえた。
「てめぇ…!」
サンジが後ろを向くと、裸のゾロが仁王立ちを決めていた。
「邪魔すんじゃねぇ」
「おれもaaaとする。aaaを喜ばせてぇ……駄目か?」
ゾロはaaaの頭のある方向に腰掛け、aaaの唇をなぞった。
「aaa、愛してる…」
aaaとゾロはキスをしていた。
「クソ猫!」
サンジが唇を離したゾロに向かって蹴りを入れると、ゾロはそれを甘んじて受け入れた。
背中に直撃するサンジの蹴り。
「うっ…、別に……いいだろ、おれだってaaaを愛してる」
「……ゾロ、ありがとう。私も、大好きだよ…」
満面の笑みを浮かべたaaaは、ゾロによってベッドに再度押し倒された。

「aaaちゃん……気持ちいい?」
サンジがピストンを速め、それと同時にaaaの腰が揺れた。
「あ……あっ!」
喘ぎ声が部屋を埋める。
「こっちはどうだ?aaa…」
ゾロの指が下半身の突起に触れる。
後ろからサンジが、前からゾロが攻めている体勢。
aaaは必要以上な快楽の波に溺れていく。
「あぁ!、サンジぃ…っ、ゾロ…!」
aaaは右手でゾロの手を、左手でサンジの手を力強く握り締め、達した。

ベッドの中で川の字になって眠る三人。
真ん中にaaaを置き、左右にサンジとゾロが寝ている。
「aaaは、てめぇだけのもんじゃねぇ」
ゾロがaaaの頭を撫でながら、その向こう側にいるサンジに言う。
「……」
サンジは無言。
「おれだけのもんでもねぇ」
「……はぁ?」
サンジは間抜けな声を上げた。
「おれはaaaを喜ばせたいだけだ。てめぇとケンカがしたいわけでも、aaaを取り合う気もねぇ。aaaが嫌がるなら、おれは出ていく」
淡々と告げるゾロの話を聞いていく内に、サンジを睡魔が襲った。
「てめぇみてぇなクソ猫なんか、誰も拾わねぇよ!」
仕方ねぇやつ、とサンジは呟いて、aaaを引き寄せ抱きしめた。
「aaaちゃんを傷付けてみろ……てめぇなんか三枚にオロしてやる…!!」
「……約束するに決まってんだろ。おれはaaaを愛してっからな」
ゾロはaaaの後頭部にキスをして、瞳を閉じた。



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