猫の恩返し

拾ってよかったと思う


「あれ?、ゾロは?」
aaaはリビングを見回すが、ソファにもカーペットにも猫の姿はない。
「さぁ?、見なかったけど」
キッチンで皿を拭くサンジが答える。
「……どこかな」
うろうろとリビングを歩き回る。
「いっ、たぁ!」
ゴン、とテーブルの角に足をぶつける。
「aaaちゃん!?、大丈夫!?」
手元を見ていたサンジが、aaaの方向をがば、と見遣る。
「はは、だいじょーぶ…」
足を摩りながら、aaaはテーブルの下を見るが、猫はいない。
「………サンジぃ」
だんだんと涙を溜めるaaaの瞳。
サンジは皿を片付け、aaaに近寄る。
「ゾロ、いな…っ」
「aaaちゃんったら…、泣かないの」
サンジがぽんぽんとaaaの頭を撫でる。
「部屋、そうだな、寝室とかにいるんじゃねぇ?、あいつのお気に入りだろ、あそこ」
aaaの手を引いて寝室に連れていった。

ベッドの布団を剥ぐと、そこには丸まった猫。
「ゾロっ!!」
aaaが、がばっと猫を胸辺りで抱きしめると、猫が鳴いた。
「みゃあー…、にゃあ…」
くい、と猫がaaaの服をくわえて引っ張ると、それを合図にぼふんと煙が立ち上った。
「aaa…、おはよ」
にい、とゾロが笑う。
「……心配かけないでよっ」
「悪ぃ…」
くあ、と大きなあくびをして、ゾロはaaaをベッドに引きずり込んだ。
「aaa」
「なに…?」
シーツに沈み込むaaaの髪を梳きながら、ゾロは笑う。
「愛してるって言ってくれ」
aaaの頬に、手を添える。
「…私ね、もうゾロと離れられないよ。サンジのときもそうだったけど…、好きで好きでしょうがないの、一時も離れたくなくて……、だから、」
aaaは続ける。
「一緒に住んで、一緒にごはんを食べて、一緒に寝るんだよ」
微笑むaaaに、ゾロの口元が緩む。
サンジはベッドの横でタバコを吸っている。
「愛してるの。ペットとしてじゃなくて…、ゾロとして、ね?」
aaaはゾロの首に腕を回し、引き寄せた。
「…っん」
ゾロとaaaは唇を重ねた。

「…けっ」
サンジの渇いた声。
ジュウッ、とタバコを灰皿に押し当てた音がした。
「サンジとおんなじくらいだよー」
ひらひらと手を振るaaa。
「一ヶ月やそこらでおれへの愛情とおんなじになるってよぉ…」
「もともとはペットとして好きだったから……、サンジは私の恋人として、大好きだし愛してるよ」
「当たり前だろー!」
サンジはベッドに突っ込み、ぼふん、と三人とも跳ねた。
「aaaちゃん!、愛してるからな!、こんなクソ猫よりも!」
「うん…、知ってる」
ゾロは二人の会話を聞きながら、aaaの服を脱がしていく。
「aaa、ばんざいしろ。ほら、バンザーイ」
「バンザーイ…って、何するつもり!」
aaaはゾロの緑の髪を掴み引っぺがそうとするが、ゾロは気にせず脱がし、下着のフックに手を掛ける。
胸のピンク色の部分を弄り、舌を這わす。
「んん…、あっ!」
サンジはaaaの足に指を這わせ、下着の上から濡れているところを撫でた。
もどかしい快感に、aaaは身を捩る。
「aaaちゃん…、どうして欲しい?」
「ふぁ…っ、は…、ちゃんと…」
「ちゃんと?」
aaaに催促するサンジ。
「ちゃんと……、さわ…て?」
うるうると涙を溜めながら、aaaが懇願する。
「よしきた!!」
aaaの下着を脱ぎにかかるゾロ。
「てめぇが触るな!」
ゾロを止めるサンジ。
「も、いいからぁ…、サンジ、ゾロ……」
「…承知しました、おれのPRINCESS?」
するりと下着をとって、濡れたそこを直接指で弄る。
水の音が激しくなっていく。
「あぁ…、ア…ん!」
「aaaの声、堪んねぇ」
ゾロはaaaの胸の突起を、サンジはaaaの足から突起にかけて、溢れ出る液を舐めている。
「なぁ、aaa、もう一回言ってくれよ」
「んっ、ふ…うあ…、あいして、る…、だいすき…」
唾液の溢れる口で、aaaは呟いた。
「おれもだよ…、aaaちゃん」
「おれもだ、aaa」
aaaを挟むように、右頬にゾロが、左頬にサンジがキスをした。
「…だいすきっ」
aaaは二人がどうしようもなく好きになり、サンジとゾロを同時に抱きしめた。

性行為を終えた三人はベッドで体を休めている。
「ゾロ…、拾ってよかったと思ってる。だって、サンジがいない間もさみしくないし」
「ごめん…、aaaちゃん」
しょぼくれるサンジの頭をよしよしと撫でるのはaaa。
「サンジはなんにも悪くないでしょー」
「おれ、aaaに恩返し出来てたか?」
aaaの顔を覗き込むゾロ。
aaaは首を振った。
「…まだ」
「は?」
「私とずっと一緒にいるのが恩返しなんでしょ?、ゾロ」
「……そうだったな」
aaaを後ろから、ゾロが抱きしめる。
「aaaちゃん」
サンジがaaaを前から抱きしめる。
「サンジ…、も…一緒に…ずっ、と…」
もにゃもにゃと言葉がうつろになっていくaaa。
「おやすみ、aaaちゃん」
サンジはaaaの寝顔を楽しみながら、眠りについた。
ゾロはaaaが寝る前から寝ていた。

「ねぇ、サンジ、ゾロ。愛してる」
「おお」
「うん」
「一緒にいてほしいよ、ずっと」
「aaaがいいなら」
「aaaちゃんのためなら」
「幸せすぎて泣きそう!」
「いっつも泣いてるだろ」
「泣くならおれの胸で!」



○Message
ここまで読んで下さいまして、ありがとうございます
中途半端ですが、これにて完結です
本当にありがとうございます
これからもサイトをよろしくお願いします




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