猫と星空

満天の星。


「サンジ、ゾロ、見て」
aaaは、ベランダに出て夜空を眺めている。
昨日は雨で、今日は晴天だった。
雨のあとの晴れは、いつにも増して綺麗だ。
「みゃー?」
「どれどれ」
サンジはソファから立ち上がり、猫のゾロの首根っこを掴んで、aaaのところへ歩み寄る。
「おお…、綺麗だ」
「みゃ」
猫をベランダの柵に立たせる。
「危ないよ、ゾロ」
aaaは猫の腹に手を回し、胸に抱く。
「みゃあー…」
「aaaちゃん、寒ぃだろ」
サンジが小さいサイズの毛布をaaaにかけた。
「ありがとう、サンジ」
「どういたしまして」
と言って、サンジはaaaの頬にキスをした。

「見て。あれ、オリオン座だよ」
「どれ?、あぁ…、あの四角の?」
「そう、それ」
ぴ、と空を指差したaaaの肩を毛布の上から抱きしめ、オリオン座と呼ばれた星座を見るサンジ。
「ほら、ゾロ。見える?」
「みゃあ…」
ぼふん、と音を立てて、ゾロは人間になった。
「aaa、寒ぃ…」
ゾロはぶるぶると体を震わせているが、aaaとサンジは何とも言えない顔をした。

「服着ろよ!」
「服着たら…?」
ゾロの人間姿は、裸だ。

「つか猫に戻りゃいいだろ」
しっしっ、と手を振ってから、サンジはaaaの目を隠す。
ゾロの下半身もバッチリ見えてしまうからだ。
「猫でも寒ぃんだよ…、aaaー」
「中、入ろっか!」
「ん」
ぞろぞろと三人でリビングに戻った。
「…サンジー、前見えないよー」
「おれが誘導するから」
サンジはaaaの手を取って、しかしaaaの目を片手で隠しながら、ソファまで案内する。
「おい!今のうちに服着やがれ!」
「へーへー」
ゾロは面倒臭そうに、リビングから出て、前に購入した服を着て戻ってきた。
「aaaちゃん。もういいよー」
ぱ、とサンジの手が離され、aaaの目が眩む。
「…うーん」
「どうした?、aaa」
ぼふ、とaaaの頭にゾロの大きな手がのせられる。
「眠い…」
ぐし、と目を擦ろうとするaaaの手を止めるゾロ。
「aaaちゃんは、おねむなの?」
サンジが笑いながら、三人分の紅茶を入れてきた。
aaaの紅茶にはミルクと砂糖がたっぷり入っている。
「馬鹿にしないでよう…」
サンジから紅茶を受け取り、aaaは紅茶を啜った。
ゾロもサンジから紅茶を受け取るが、湯気がたっているのを見て、ふうふうと息をかけていた。
(ゾロは猫だから、猫舌なの…?)
疑問に思いながらも、aaaも一緒にゾロの紅茶に息を吹き掛けた。
「ふぅーっ」
「ふぅーっ!」
一生懸命、紅茶を冷まそうとする二人の姿に、サンジは微笑んだ。
「ゾロ、これでもう大丈夫かも!」
「かも、ってなんだよ!、熱かったらどうする!、もうちっと冷ますぞ!」
「うっ、うん!」
またふうふうと息をかけだした。

やっと紅茶を飲み終えて、aaaはサンジの太股に頭をのせて寝ていた。
「aaa、可愛い…」
猫の癖か、ゾロはaaaの体に頬擦りをする。
「けっ」
サンジはaaaの頭を撫でた。
aaaは幸せそうな顔を見せる。
「おい、グル眉。てめぇはaaaのどこが好きなんだ?」
「あ?、んなの、全部に決まってんだろ」
すり、と達人級の料理をする手でaaaの頬を撫でた。
「…ふーん」
「そういうテメェはどこが好きなんだよ」
「全部に決まってんだろ」
サンジの目も見ず、ゾロはaaaの上に乗っかり、aaaに何度もキスしていく。
「んー、サンジ…、ゾロ…」
aaaの寝言。
「……」
「……」
二人は溜息を吐いて。
「寝っか」
「あぁ」
ゾロはaaaを抱き上げ、寝室に連れていく。
サンジは紅茶のカップを片付けてからベッドに入った。



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