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▽ 試験勉強は計画的に!


アントニン・ドロホフとマルシベールはその日、ベッドカバーを頭から被ってベッドから出てこようとしなかった。それぞれの親友、もといエイブリーとラバスタンによる実力行使によって引き摺りだされて談話室まで連行されたが未だに寝室へ戻ろうと躍起になっている。
そんな彼らの目の前に立ちはだかったのは腕を組んだアンタレスだった。何故か背後に仁王像を召喚している。

「マルシベール、アントニン。いい加減観念なさい」
「「だが断る!」」
「お黙り!」

いつの間にかアンタレスの手に握られていたハリセンが唸った。スパンスパンと清々しい快音が響き、二人は頭を抑えて踞る。ヤックスリーとソーフィンもアンタレスの援護に周り、マルシベールとドロホフが逃げ出さないように二人の首根っこを掴んでいる。

「…アントニン、マルシベール」
「「…」」
「もうすぐ期末試験なのよ」
「「……」」
「返事がない」
「ただの屍のようだ」
「ちょっと黙ってくれるかしらエイブリー、ラバスタン」
「「ごめんなさい」」

期末試験という単語が出た瞬間に明後日の方向を向いて現実逃避を始めた脳筋ペアにアンタレスは青筋を浮かべる。さて説教だと意気込んだところでラバスタンとエイブリーが茶化したのでアンタレスのイライラはマックスに到達した。
杖をホルダーから抜き放ち、握りしめすぎてぶるぶる震える杖先からは吹雪が吹き出しはじめる。

「期末試験、残念な点数取ってみなさい…細切れにしてやるわ」
「「頑張ります!…多分」」
「あ?」
「「頑張ります!!」」

吹雪で頭の上に雪が積もった二人の顔色は寒さ以外にも恐怖のせいで青白かった。暖かいしょうがはちみつティーを出してくれたヤックスリーとソーフィンが天使に見えたと後にドロホフは語った。

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