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▽ ずっと俺のターン!!


笑いの波が漸く引いたマグル同盟(ラバスタン除く)はこっそりとパーティ会場を抜け出していた。最後まであの歌を聴いてしまったラバスタンは未だに腹をおさえてぷるぷると震えている。同じく最後まで聴いていたバーテミウスは案外あっさりと元に戻っていた。

何故彼らが会場を抜け出して、こんな裏庭にいるのか。
それは、向かい合っているアンタレスの弟2人がまた仁義なき戦いを繰り広げようとしているからである。

「泣き言なんか言うんじゃねぇぞレギュラス」
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ」

流石マルフォイ家、裏庭に置かれているテーブルにも豪華な彫刻がなされている。そんな素敵なテーブルの上に積まれているのは遊○王カードだ。

ばちばちと火花を散らして睨み合う二人の目は本気だった。あれは死を覚悟した歴戦の兵士の目だ。

積まれたカードから二人は同時に手札を取った。次の瞬間、レギュラスがあくどい笑みを浮かべる。それとは反対にシリウスはげっ、と顔を歪めた。

「ちょっとちょっとレギュラス、シリウスさんも。表情に出しちゃいかんっしょ」
「それな」

呆れた表情でバーテミウスがため息を吐き、アントニンがそれに同意する。アンタレスは微妙な表情でアントニンに視線を向けた。

「な、なんだよ」
「いや、アントニンに表情に感情を出すなって言われるのはちょっと…ね?」
「どういうことだよ!?何、オレ分かりやすい!?」
「ええ、かなり」

アンタレスの言葉に言い返せずもごもごと口の中で反論すべく言葉を探すアントニンだが、結局何も見つからなかったようで黙りこむ。

「おっと、ここでシリウスがキメラテックオーバードラゴンを召喚!随分懐かしいモンスターですね。どう見ますかエイブリーさん」
「はい、存続を軽く忘れていたモンスターですね。…おや、レギュラスの方に動きが見えますが」
「これは!!レギュラスがキメラテックオーバードラゴンの更に上を行く古いモンスター、真紅眼の黒龍を召喚してきたー!!」

二人の戦況を見て、ヤックスリーとエイブリーが解説もどきを始めた。そして、何故かここでボケはじめるのがブラック兄弟である。

「「ずっと俺のターン!!!!」」
「ざけんなお前ら説明書ちゃんと読めよ!!ネタにばっか走ればいいってもんじゃねぇぞ!!あとレギュラス、竜巻連発すんな!!」

人気のない裏庭に、マルシベールのツッコミが響き渡った。

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