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▽ ボイコットできないクリスマスパーティー


『……』

もうすぐクリスマス。

本日の秘密の小部屋はどんよりとした空気で覆われていた。


それぞれの手には各々の親から送られてきた手紙が握られていた。
遠目から見ただけで高価なものだとわかる封筒を見事に握りつぶしているのはアントニンだ。

「…帰らなきゃ、か」
「あの純血の巣にか…」
「いや待て、ポジティブに考えよう。チェルシーに会える!!」
「エイブリー黙っててくれないかな」

嫌そうに顔をしかめるアントニンとソーフィン、約3ヶ月程会えていない愛猫を思い出して顔をでれっとさせるエイブリー、眉間にシワをよせるラバスタン。
マルシベールは頭を抱え、ヤックスリーはマグル街へ行く時に買うものをリストアップし始めた。
完全に現実を見ることを拒否している。

アンタレスはと言えば、二枚の便箋を前にして首を傾げていた。

「どうした?」
「ん、母様からのお手紙の他にもレギュラスからのが入ってて…」
「レギュラスならお前にしょっちゅう送ってくるだろ」
「レギュラスが描いたんでしょうけれど…このウサギの絵になんだか見覚えがあって」

マルシベールはアンタレスとその便箋を覗き込む。
アンタレスに会えなくて寂しい、クリスマスを楽しみにしているといった内容の文の下に描かれているのは二匹のウサギの顔。
片方は普通の可愛らしい顔をしているが、もう片方は目がやたら怖い。目力がひどいことになっていてマルシベールは戦慄した。

「言われてみれば確かに…」
「このウサギ目怖くね」
「どっかで見たような…」

ざわめきはじめるマグル同盟だが、なかなか答えには辿り着かない。
そんな中、ヤックスリーが手をポンと打った。

「これってうさこちゃんじゃないですか?ドジマンガ日和の」
『それだー!!…えっ?』

瞬時にハモるのはもう7人がマブダチやズッ友の域を軽く超越しているからだろう。

だが、それよりも問題があった。



レギュラスが、純血主義のあのレギュラスがドジマンガ日和のイラストを描いた?


マグル同盟を困惑が襲った。

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