▽ マグルのスポーツって輝いてる
マグルの電子機器は使用不可能。
マグル同盟を襲ったショックをどうにか和らげようと入学前にアンタレスはマグルの本屋でジャパンのコミックを買った。
そのコミックは少し古い絵柄だがキャラの表情がイキイキとしていて、アンタレスは一目惚れしたのだ。
題名は、スラ○ダンク。
アンタレスにとってのスポーツはやはりクィディッチで、そのコミックはとても目新しかった。
マグル同盟もすぐにハマり、ホグワーツの宿題に手がつかない程の熟読っぷりを見せた。
夕食後にはすぐに秘密の小部屋(偶然発見した)に直行するほどに。
「水戸カッコいいな!!桜木軍団まじやべぇ」
「バスケってかっこいいわね…」
「牧さんに憧れます」
どうやらマルシベールとヤックスリーはフンフンフンディフェンスがお気に入りらしい。
やってみたい!!と目を輝かせて試したが、運動不足が祟って筋肉痛になってしまったそうだ。
「アンタレス、見てよ」
「何よラバスタン…キャ○テン翼?」
「サッカーって競技らしいぜ。オレはイナ○マイレブンが好き」
「アントニンのはもう魔法の域越えてるって。岬くんかっこいいんだよー」
ふくろう通販を通じて本を取り寄せたらしいアントニンとラバスタンも目をキラキラとさせながらコミックに読みふける。
アンタレスは偶然近くにあったアントニンのイナズマ○レブンを読んでみて、主人公の真っ直ぐさに感動していた。
「だ、だーくえんぺらーず編のゴッドハンド…っ泣けるわ…」
「この風丸の叫びがな…切ないよな…!!」
「じ・あーすっていう絆の技ができた直後なのに!!」
静かなソーフィンはベル○イユのばらを、エイブリーはちー○すいー○ほーむを黙々と読んでいた。
「あ、アンドレ…!!」
「チェルシー…!!お腹空いてるだろうな、喉も乾いているだろうな…毛もごわごわだろうな…ダメなご主人でごめんねチェルシー…」
ぶわっ、と涙を溢したソーフィンはティッシュで鼻を盛大にかんだ。
一方のエイブリーも愛猫(二次元)を思い出して涙目になっている。
そんなしんみり雰囲気をぶち壊したのは、先程までだーくえんぺらーずに泣いていたアントニンだった。
「いってぇええ!!」
アントニンは、ふぁいあとるねーどを打とうとして盛大にひっくり返ってしまったのだった。
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