闇陣営撲滅キャンペーン実施中 | ナノ


▽ 燃っえ〜ろ☆オンボロ帽子


駅に着いた新入生たちはハグリッドという大きな森番に連れられてホグワーツへと向かう。
ポッター家の息子とシリウスは何やら可笑しな話をしているのか爆笑していた。

一方でアンタレスは周りから向けられる視線に苛々していた。
マルシベールたちといる時だけ忘れられる、"ブラック家長女"の肩書きが嫌でもアンタレスについて回るのだ。
早くも何人かが話しかけにきた。
名前は覚えていないが、何度かパーティで見かけた覚えがある顔ばかり。
媚を売る輩は、来る度にマルシベールに睨み付けられ、何とか立ち直ったらしいエイブリーに論破されて逃げていった。

なんとかラバスタンたちに合流したアンタレスたち3人は、やって来たマクゴナガル教授に連れられて城の中へと足を踏み入れた。

「な、なぁアンタレス…」
「何よアントニン」
「あの赤毛の子が持ってるのって…」

大広間に入る直前、アントニンがアンタレスにこそこそと話しかけた。
ヤックスリーの隣あたりにいる赤毛の女の子が気になるらしい。

「ブー○ターのマスコットキーホルダーだな」
「あら、ソーフィンまで」

そういえば、ソーフィンのパートナーポケモンはブースターである。
羨ましそうな目を彼女に向けるソーフィンを引っ張り、アンタレスたちは大広間へと足を踏み入れた。


ところで、"ブラック"という名字はBから始まる。
そして、なんの偶然か今回の新入生にはAから始まる名字がエイブリーしかいなかった。
シリウスとアンタレスではアンタレスの方が早く呼ばれる…イコール二番手なのだ。


エイブリーが呼ばれ、帽子が被される。
少し経ち、帽子が息を吸い込んだがエイブリーが突然ラバスタン並みの真っ黒い笑顔を浮かべた。
帽子はびく、と震えて再び口を開く。

『…スリザリン!!』

歓声があがり、エイブリーはスリザリンのテーブルへと向かった。
マグル同盟に、「あのクソ帽子には気をつけて」と残して。

次は、アンタレスだ。

帽子が被せられ、視界が暗くなる。

『ふぅむ…これはまた難しい。ブラック家の子じゃな…頭が良い、計画的で狡猾。だが、君の中でそれを上回るのが…勇気。よって、君の寮は…』

エイブリーが言っていたのはこの事か、と理解した。
私は、闇陣営の動向を掴み、周りを欺く為にスリザリンに入らなければ。

『グ「燃やすわよ」スリザリン!!』

組分け帽子が、微かに『もう嫌だ』と呟いた。

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