02
「白馬君!ごめん待った?!」
「待ってませんよ」
25日、待ち合わせ場所に五分前に来たつもりだが、白馬君はもう着いていた。
早いなぁ。
そして白のハイネックにブラウンの厚手のカーディガン。それにマフラーをして、いかにもおしゃれな感じの服装に少し見とれてしまった。
私はそれ相応の格好出来てるかなぁ?
「名前さん、服装可愛いですね。似合ってますよ」
「えっ?そ、そうかなっ……!白馬君がおしゃれだから、釣り合った格好が出来てるか心配だったんだけど……」
「そんな心配いりませんよ。可愛らしい名前さんなら、何を着ても似合います。さ、行きましょう」
「えっ?あ、ありがとう……!」
腰に腕を回され、エスコートされながら目的地へ向かった。
ーーーー
「ご飯美味しかったねー!」
「喜んで頂けて何よりです」
ちょっと高級そうな場所だったけど、クリスマスの装飾に音楽。
なんだかいかにもクリスマスって感じで、とても楽しく食事ができた。
白馬君は、いい雰囲気に持って行くのが上手だな。
「この街のちょうど中心部に、大きなツリーがあるのを知ってますか?」
「あ、知ってるよ!綺麗だよね!」
「良かったら見に行きません?」
「行こう行こう!!」
次どこ行く?と言われるより、こういう風にリードしてくれる男性が結構好きだ。色々行く場所考えてくれてるんだなぁ。
「ありがとう、白馬君!」
嬉しくって満面に笑えば、ずるい人ですね、と言われエスコートされた。
何もずるい事はしてないんだけどな。
でも大きなツリーを見るのが楽しみで、あまり考えずにエスコートされるがままついて行った。
「うわぁ……!きれい!」
「綺麗ですね。この時間だと特に」
夜空に真っ直ぐ伸びる大きなツリーは、クリスマス電飾がされてあり、赤や緑、黄色と色んな色に光っていた。
大きな音でクリスマスソングも流れており、クリスマスが大好きな私はとても幸せに感じた。
連れてきてくれた白馬君に感謝だ。
ここでありがとうと言うべきだった。
目の前のツリー2人で見上げでいると、こっちをチラリと見た白馬君は目を閉じ、体ごと私に向き直し目を開けた。
その目は、真剣そのもので。
私も白馬君に体を向け直した。
「名前さん、まずは、クリスマスプレゼントです」
「えっ……ありがとう……!」
差し出してくれた大きめのプレゼント。
開けると中にはブランドのポーチが入っていた。
「いいのっ?!」
「名前さんには、それが似合うと思いまして」
「可愛い……嬉しいありがとう!」
「良かったです」
そうだ……!
私も渡さなきゃ♪
「白馬君、私も買ってきたの!」
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