04
「ねぇねぇ、どうなった?」
「どうなったって……おめー内容知らねーのに結果だけ報告しても……」
「まぁまぁ、そんな照れなさんな!」
「まぁ……成功?見たらわかんだろ」
うむ。
成功するとわかっていたよ。
確かに、快斗君は恥ずかしそうにポリポリと頭をかいている。
「おめでとーっ!!」
「うーん……?さんきゅー」
照れちゃってこのこの〜。ふふ。
「やっぱり快斗君帰りなよ!あと2人いるし、快斗君1人くらいいなくても平気だよ!」
付き合った初日からバラバラに行動なんて酷だろうに。一緒にいたいだろうに。
「あ?おめー矛盾してんだよ!……ってあたりめーか」
「え?」
何が?と聞きたかったが、大きく溜息をついた彼は机を出しに離れて行ってしまった。
まぁ、いいか。
「……ん!」
夕日だ……
綺麗……
何故か教室がオレンジ色だと思い背を向けていた窓を見ると、目が眩むほどのオレンジに照らされていた。
雨なんてすっかりやんでいて、綺麗なオレンジがやけに目立つ。
まだ持っていた箒の棒の上に顎を乗っけて、黄昏てみる。
「グッバイ。マイ、ブルースプリン、ぎゃっ!!」
スプリング、と最後まで言えず、両手で握っていた棒が何かに引っかかり、支えている物が無くなった顔と両手はそのままがくんと下がった。
何が起きたと教室を見回すと、私をじとりと見ながら最後の机を出した快斗君は溜息を1つ。
なるほど出していた机の足に箒が引っかかったわけですね。
てか私全然掃除してない。
「もー邪魔なら言っ「Youth」
「え?」
「青春はblue springじゃなくてYouth」
「えっそうなの?」
「おう、あほ」
「あほ………」
って聞かれてたのか。
まぁ、別に誰とは言ってないし、いっか。
てかあれ?朝の王子様みたいな彼はどこへ?
「はぁ。……おめーさぁ、なんか勘違いしてねー?」
「へ?勘違い?」
箒を取り上げられ、壁によりかけた快斗君は、椅子の背もたれに腰を落とした。
「俺は青子を屋上に呼んで告白して、成功。お付き合いすることになりました」
「え?うん」
「そんで結果を聞かず放課後まで寝てたおめーは俺に起こされ結果だけを聞いておめでとうと言った」
「うん」
「それ全部勘違い」
「うん。……え?」
勘違い?え?なんで?!どこが?!
「じゃあ屋上で何話したの?!」
「掃除当番変わってくれって。」
「そんなの屋上に呼び出さなくても……」
「理由はこれから話す」
「でも男子達がヒューヒューって……」
「それもこれから」
「でも快斗君が青子を誘った時、目配せしてたけど……」
「それは名前に勘違いされるからって思ってたからじゃね?」
「そ、そうなんだ……。じゃあさっき快斗君が成功って言ったのは掃除当番変われたって意味か……」
私はなんてくだらないことを楽しそうに聞いたんだ。おめでとうまで言ってしまったじゃないか。
「俺が男子達に煽られてた理由は…青子と当番変わってもらって、名前に告白するって言ったから。おめーはいつも青子といるだろ?だから青子を呼び出したんだよ」
「……えっ……でも、快斗君は青子が…」
「幼馴染みってだけでそー思われるのが難点だよなー」
ふぅ、と一息ついた快斗君は苦笑い。
え?待てよ?
ってことは………
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