03
朝は快斗君に宿題を手伝ってもらい、なんとか提出時間に間に合った。
特に勉強に力を入れているわけでもない私は、ボーッとしながら授業をこなす。
いや、こなしてはいないか。
そのまま昼休みに突入し、片肘つきながら教室を見渡した。
私はあんなに優等生じゃないし、快斗君みたく人気者でもない。
目の前にいる青子みたくスタイルがいいわけでもないし……
と自身のくびれに両手を当て溜息をついた。
あーあ。青子みたいだったら快斗君も振り向いてくれる可能性あったのかな?
「なーに?ため息なんかついちゃって!」
「青子、くびれ交換しよう」
「えっ?!急に怖いよ……」
なんて苦笑いしている青子。
いやもう寧ろ全部取り替えてくれ。
「おっ!!快斗まじで?!ついに?!」
「いけいけー!!」
「なんかあったら俺が相談受けてやるよ!!」
「バーローっ!!絶対おめーに相談なんてしねぇよ!」
ヒューヒュー!!と男達の煽る声と共にそんな声がクラス中響いた。
「どうしたんだろうね?」
「さぁ?またバ快斗が何かやらかすんじゃないのー?」
はぁ。と大きく溜息をついた青子に苦笑いしていると、快斗君が緊張した面持ちでこっちに向かって来た。
「緊張すんなよー!ははっ!」
「るっせーバーロー!!……あ、青子。ちょっと、いいか?屋上来て欲しい」
「えっ……青子?いいけど……」
ははーん。
そう言う事ね。
快斗君はついに告白するのね。
青子は私と快斗君を交互に見る。
青子は私が快斗君を好きだって知ってるもんね。
でも諦めていた恋。
いずれこうなるとわかっていながらの片想いだったから、大してショックでもなければ、傷つきもしなかった。
だから………
「行ってらっしゃい、青子!!」
笑顔で送りだすと、青子は苦笑いをしながら快斗君の後についていった。
戻って来たのは5時間目直前。周りのみんなはもう既に席に座っていたから、慌てて席に着く2人。
青子に結果を聞きたかったが、あいにく二つ前の席で、話すに話せない。
快斗君は遠い席。班だって全然違う。
あー結果知りたいなー。
なんて疼く気持ちを抑える為に、先生には悪いが寝ることにした。
ーーーー
「おーい!お!き!ろ!」
「ん……ぅお?!」
「ぅお?!じゃねぇっ!」
目の前には、じろりと私を見下ろす快斗君が立っていた。
周りを見ればもう放課後らしく、誰が起こしても起きないから放置してたとの事。
「おめー掃除当番だろ?早く掃除しちゃうぞ」
「そうだった!!……ってあれ?青子は?」
「帰った」
「えっ?!掃除忘れてたのかな?」
「おめーも忘れてただろーが」
何も言えません。
「快斗君代わりに手伝ってくれるの?」
「んまぁ、そんなとこ」
「そっかー。ありがとう!」
あ、どうなったんだろう。
青子と快斗君。
箒を取り出し、掃除しながら何気なく聞いた。
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