05
「つ、つつつまり………」
「つまり……名前が好きって事。俺と、付き合ってもらえますか?」
ウインクをしながら手を差し伸べて来た快斗君は、朝の時の様な王子様だった。
「……っ。嬉しい………!」
「なら、返事ははいかyesな?」
「ふふ。どっちも」
「ははっ。それも有りだな」
快斗君の手に私を手を乗せた瞬間、ぐいっと引かれすっぽり包まれてしまった。
ど、どうかこの心臓の音が聞かれません様に……!!
「名前」
「はいっ……」
その後の言葉が無く上を見れば、優しい眼差しで顔を近づけてきた。
こ、これはキスじゃ……!!
「ちょ、待ってだめだよ誰かに見られたら恥ずかしい……っ!!」
「ドアの方から俺らは夕日で影になって見えねーよ……」
「ん……」
ほんと、Sっけがあるのか王子様なのかわかりませんね。
「あれ、そう言えばもう2人は?」
「あー、バケツの水2人で捨てに行ったぜ?」
「それにしては遅くない?」
「全階の水道かたーく締めてきた」
「………」
私は寝てて気づいていなかったが、6時間目はその為にサボったらしい。
私は快斗君の新しい1面を発見した。
……この人アホだ。
「にしても見られてなくて良かった!まぁ、影になって見えないしね♪」
「シルエットでわかんだろ」
「……どぁあああっ!!!」
快斗君の大馬鹿ものぉおおお!!
ーENDー
そろそろ寒くなって来た10月終わり。
『今日の最下位は……この誕生月の方!!言われた事を素直に受け止めましょう。今日はハロウィンですからねー!Trick or Treatと言われたらお菓子を渡せば、いい事があるかもしれませんね』
「また最下位かよー!!」
「今日も快斗君家来るんでしょ?チョコ好きならあげればいいじゃない」
「だねー!最下位の日は当たるしね。きっと言ってくるから用意しとくよ。じゃあ行ってきます!」
「今日も私仕事だからねー!」
「はーい!!」
そんな朝の会話を思い出し、コンビニでチョコを買って帰る。快斗と共に。
「おじゃましまーす」
「どーぞー」
2人で私の部屋へ入り一息つくと、さっそくキスをしてきた。
「今日は甘えるねー?」
「なぁ名前」
「ん?」
「Trick yet Treat」
「お!あげるあげる〜!」
さっそく〜!!
やっぱり最下位の日は当たる!!
でもなんか言葉がおかしかったような……そんなことを思いながらチョコの袋を開け、ガサゴソしていると快斗に組み敷かれた。
「え?そ、そんなにチョコ待ち遠しい?ちょっとあげるからよけて……!」
「Trick yet Treatの意味知らねーのー?んじゃ、いただきまーす!」
「えぇえええ?!私はチョコじゃなぁあああい!!」
お菓子はいいから悪戯させろ♪
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