真田主従

2012/04/02 09:38


※現ぱろ
※幸村しか出ません。



春の陽気というものは、どうも眠気を呼ぶものだと幸村は思う。
ガタンと揺れる電車のせいもあるのかもしれない。しんと静まった車内は幸村一人だけだ。
携帯がメールの着信を知らせたが、どうも取る気にならない。もしかしたら重要な内容かもしれないのに、眠気が勝ってしまう。
今、自分はどこを走っているんだろうか。
と、いうのも珍しく降りる駅を寝過ごしたのだ。ガタン、と何度目の揺れ。完全に遅刻だった。
学校にも連絡をしなければならないのに、どうも春の陽気は厄介なものだと、うつろうつろ思う。

(佐助には連絡を…しなければ)

それでも、やはり手は動かない。
このまま終点まて行ってしまいそうな(恐らく行く)そんな雰囲気の中、幸村は瞼を閉じた。
頭に浮かぶのは、幼なじみの佐助が怒る表情ばかりで、(なんで連絡しないの!)(心配しただろ?)(何回、電話したと思ってんのよ)そんな風に思うのだが、それがなんだか嬉しくも感じて幸村は、口がゆるむのを感じて意識を落とした。

(春電車)




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