たぶん佐幸
2012/04/29 22:39
くすぐったい、そう思い意識は現実へと引きずりだされた。
「…なにをしておる」
やっと出した声は、かすれた声。それでも言葉になったその声は相手に聞こえたようだった。
「旦那のお腹を触ってた」
「……」
そんなのは見れば分かる。
目でそう訴えてみても相手、佐助は変わらず幸村の腹を優しくさすっていた。くすぐったい原因はこれだ。
「鍛えてるなぁって」
「う、うむ」
だから触ってたんだ。とニッコリ笑う佐助に、幸村は、ただただ黙って見上げることしか出来なかった。
(俺はどうしたら…)
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