ジュミラ(TOX)
2012/03/26 23:14
ジュ→ミラ
現ぱろ
気づいた時には外は夕焼け色になっていた。夜、眠りについてから、そのまま何時間も眠ってしまったらしい。
今更起きるのも何だか面倒で、そのまま布団に潜ってみた。眠くもない瞼を閉じれば、昨日起きた出来事が鮮明に蘇る。
『…、ミラ』
『隠していたつもりではなかっんだが』
『…けど言わなかったよね』
『ふむ、それが"隠す"という事になるんだな?君たちは本当に面白い』
『……』
そう笑う彼女の、ミラの姿が離れない。
彼女にとって僕という存在は、その他大勢と変わらないのかもしれない。
それでも、とか考えてたらこんな時間に目覚めてしまった。
(本当、意味ない)
このままじゃいけないと、やる気のないまま枕元にある携帯に手を伸ばした。
冷たいその感触、ディスプレイに指を滑らせれば画面が明るく表示される。
「…これ、」
そこには着信の記録があり、-ミラ-と表示された名前に僕は不覚にも息をするのを忘れていた。
(期待だってしてしまう)
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