『虹色』inとうらぶ2

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「主ー政府から文が来てるよ!」
「ちょっと清光、もう少し静かに歩いてくれない」
「お前の方が五月蝿い」
「・・・喧嘩は程々にしてくれないかい?
それ以上続けるなら僕も実力行使でいくよ」
『ごめんなさい』

彼女は一見人外に見えてその実は人外だ。
かつて加州清光と大和守安定はこの世に顕現された時、彼女と相対しているがその時の彼女は茶色がかかった黒髪だった。
間違っても、白い髪ではなかった。

「さて早速で悪いけど加州君、僕はこの通り右手が封印されている身だからね、うまく手紙を読めないんだ。
だから悪いけど読んでくれないかい?」
「・・・ねえ主、今更だけど俺達も読んでも良いの?
機密事項とか書かれてたり・・・」
「大丈夫だろ。仮に裁かれるなんて事態になっても僕はそのお役人さんに頼まれて来たんだ、いくら封印されているとはいえ彼らに後れを取る程落ちぶれてはいないさ」

嘲笑にも似た表情に加州達は背筋に悪寒を走らせる。
・・・他の本丸にはノルマと呼ばれる課題が課せられているがことこの本丸―――安心院つゆりを主とする本丸は例外だ。

そんな彼女に政府からの通達。
直接関わっている我らが主様は涼しい顔なのに何故刀剣の自分たちが胃がきりきりしそうなのか。

また主がいなくなったらどうしよう、と不安に思いつつも文を見る。

「・・・ふむ。
要約するとブラック本丸を摘発して傷付いた刀剣達を保護しろってところかな」
「っはあ!?何それ主は俺だけ可愛がってくれたら良、痛っ!?何すんの安定!!」
「それを決めるのは主であってお前じゃないだろ。
ちょっとは落ち着いたら?」
「うっ・・・あ、主・・・」
「わっはっはっは。丁度良い退屈凌ぎにはなるかな。
人間っていうのはつくづく愚かだね、仮にも神様なのに蔑ろにするだなんて・・・・・・まあでも僕から見たら、神様だろうが魔王だろうがすべからず平等に過ぎないんだけどねー・・・。
・・・じゃあ二人共、善は急げだ用意が出来次第出発するぜ」
「りょうかーい」
「・・・うん」

あの人にとっては刀だろうが紙だろうが人であろうが平等にしか見れない。
愛するなんてもっての他だ。だけどそれで良い。
平等に愛してほしいなんて言わないけれど、この人の隣りにいたいと思ってしまうから。


途中で力尽きた。
ちょ、近日中に続き書きます。
とりあえず平安時代に会った事のある顔(主人公)に唖然茫然とする三日月小狐丸鶴丸を書きたいので。
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