BASARA×とうらぶ2

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「開け根のこく 根のやしろ
尋ね訪ねて 幾千里
あなた離れて 閻魔様
明日あすの行方を 尋ねや来られ
恋の行方を 尋ねや来られ
彷徨い入れ 底の宿
せなや震わせ 胸抱むねいだ
はらくらうは の根っこ
死にゆく呻き 華のやうよう・・・」

「来タレ、集エ、夢ヲ見ヨ!開け根の国、底の国・・・」
「嘆キ、喚イテ、朽チ果テヨ!来たれ根の闇、底の闇・・・」
(中傷以降の台詞、雰囲気、薙刀の持つ闇属性の能力が発動する)



!記憶喪失の主と

『お市様、』
「―――さ様、――――様・・・」

心が壊れ、記憶さえも失った主の姿に彼女の心も切り裂かれそうだった。
所詮己は薙刀であり、主を慰めも出来なければ姿をとらえて貰う事さえも出来ない。
それがなんと歯痒い事か。
―――者と物の違いをむざむざと見せつけられたかの、よう。

「――――さま・・・『散華』・・・?」
「っ!」
「ねえ散華、聞いて・・・?――――さまは、」
『っお市、様・・・!』


!『漆黒の花嫁衣裳』

「人間が此処に踏み込むのも時間の問題ですね・・・お市様、貴女様の幸せの記憶はわたくしが持っていきます。
あのような人間共に奪われる位ならいっそわたくしが。
貴女様により生み出され、貴女様と共に過ごし、貴女様に振るわれたこの数年、わたくしも幸せでした」

!鶴丸視点

かの妹君を見たときの第一印象は傾国の美貌、もしくは美人薄命の一言に尽きた。
そんな女人の傍らにはあまり似合わない武器―――双頭薙刀。
そして自分と同じような存在であろう者も其処にいた。

『ああお市様、外は冷えますよ』

やんわりと窘める物言いだが表情は穏やかなまま。
持ち主に似たのか『お市』と指した少女の顔立ちは成程よく似ている。
微笑を浮かべた彼女を見ると何が楽しいのか笑っていて。

その笑顔が鶴丸の脳裏から離れることはなかった。
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