「二人とも、お疲れ様。満足しましたか?」
「…まあね」
くすくすと笑いながら尋ねたナマエに、ドラコは肩をすくめて答える。フィオレもまた満面の笑みだ。

「温かいココアがありますよ。飲みますか?」
「ああ。だがその前にフィオレの着替えをさせてくる」
「あ、私がやります」
「ダメだ。君は今日は置物のようにじっとしてるんだ。いいな?」
「…」
「いいな?」
ドラコが繰り返すと、本当にしぶしぶ、ナマエは頷いた。

こんなに聞き分けのない(もちろん良い意味だ!)彼女は初めてで、僕は知らずのうちに笑ってしまっていた。ナマエはそんな僕を見て口をとがらせたが、やがていつもの笑みを浮かべてこちらに向き直る。
そして突然、僕の両頬に手のひらを当てて包み込んだ。
ふわりと香る甘い匂い。はにかんで、口を開く

「あったかい置物です」


こいつ何でこんなに可愛いんだろう。




フィオレを着替えさせてから僕も着替え、体を温かくしてリビングに行く。
すると思わぬお客が椅子に腰かけていた。


「――…休日にこんな所に来るなんて、君らも暇だな。ポッター、ウィーズリー」
「お前に会いに来たわけじゃない」
「そうさ。僕らは君の」

ロンが考えたふうに一度口を閉じ、そしてニヤリと笑った。

「君の、あったかい置物に会いに来たんだ」
「…」

いつからいた、の質問はもうしない。とりあえず僕は今度からもっと視野を広くしようと心に決めた。(覚えてろ、ウィーズリー)

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