「ナマエが大変って、どういうことなの!?」
「とにかく来てくれ!」
「でも」
「グレンジャー」
マッドの手がハーマイオニーの背中に添えられた。
「行ってきていい。…ジャックは俺が見てる」
「…そう。ありがとうマッド」
眉を下げ、困ったように微笑んだハーマイオニーにマッドは肩をすくめて僅かに微笑み返す。マッドにジャックを預けたハーマイオニーは「コートをとってくるわ」と、急いで部屋の中へ駆け込んだ。
その姿を普段通り無表情に見送るマッドにドラコは尋ねた。
「…カーティス、お前、そんな奴だったか?」
「…マルフォイもな」
二人の間に奇妙な沈黙が漂った。
どうも、グリフィンドール特有の明るさだとか、打たれ強さだとか馴れ馴れしさだとか(親しみやすさなんて言ってやらない)に、スリザリンの高潔で気品に満ちた狡猾さが圧されてる気がしないでもない。
他の所も同じような状態だろう、とドラコはうっすらそう思った。(頑張れ、スリザリン)
…僕はもう、あれだけど。
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