「グリフィンドールのミョウジと、あのマルフォイが付き合い始めたらしいよ!」
「マルフォイが!?冗談だろ」
「彼女は確か、マグル生まれのはずじゃ」
「でも皆言ってるんだ!あ、ほら…」


生徒達の視線の先には、背中の傷も完治してフィオレを肩車するドラコ。そしてその脇で二人の様子をにこやかに見守っているナマエの姿。
誰もがお似合いだと感じてしまうほど、彼らの歩調は同じペースに進んでいた。


「へえ……それじゃあ、噂は本当なんだ」
「あのマルフォイがねぇ」
「あら、でもあの時のマルフォイはすごく素敵だったわ」
「私もそう思うわ!」

顔を見合わせて口をへの字に結ぶハッフルパフの男子生徒の会話に、二人の女子生徒が混ざった。グリフィンドールの女子生徒だだ。

「あの時?」
「決闘クラブよ。スネイプがドラコとザビニに試合をさせたの」
「ああ…スリザリンとグリフィンドールは合同授業だったのか」
「マルフォイはさぞ楽しんでたろうね」
「違うのよ!」
「え?」
「試合が始まってからもマルフォイはずうっとムスッとしてたわ」
「気の所為だろ?」
「本当よ!それで、その後…」
「ザビニの呪文がナマエに当たりそうになって、咄嗟にナマエを庇ったのよね」
「ええ!わたし、見ていてドキドキしちゃったわ!」


溜息を吐いてうっとりする二人組を見て、男子生徒は肩をすくめた。

「でも、マルフォイはそんなに良い奴じゃないんだろう?」
「ええ!嫌な奴よ。グリフィンドール生は皆嫌ってるわ」
「なら……」
「でもナマエの前なら……。彼女だけには、とても紳士的で勇敢で、素敵なのよ、彼」
「へえ」
「不思議ねぇ…恋かしら?」
「きっと恋だわ!」





「はぁ」
「どうかしたの?ハーマイオニー」
「君、さっきから溜息ばっかりだぜ?ソーセージでも食べなよ」
「いらないわ。あなた達よく平気ね!」
「「何が?」」
「ナマエとマルフォイの話よ!」
「ああ…二人が恋人同士になったって?」
「でもナマエ達が"好き同士"だったってこと、僕らとっくに気付いてたろ?下手すりゃあの二人よりも先に」
「そうよ…そうだけど…」
「諦めなよハーマイオニー…。相手がマルフォイなのは癪だけど、アイツもナマエにだけは優しいみたいだし」
「心配いらないよ!ハーマイーニーも言ってたじゃないか」
「そうね…そうよね。ナマエが選んだんだから、私は応援してあげなきゃダメよね」


顔を上げたハーマイオニーは手元にあるフォークを取った。

「でも、もしマルフォイがナマエに酷い事でもしたらその時は…――」

ドスッ!ソーセージに深く刺さったフォークを見て、ハリーとロンは思わず冷や汗を流した。友を想うハーマイオニーの目は、限りなく本気であったからだ。


「ハ、ハ、……ハクションッッ!!」
「風邪ですか?」
「あーう?」
「ああ、大丈夫さ」

(でもどうだろう…何だか寒気もするし。風邪か?)

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