今夜は寝かさないよ。

なんてまあリドルにお熱の女の子が聞いたら腰砕けメロメロ間違いなしな台詞を吐いておきながら、人払いが済むや否や自分は読書に夢中になっているトム・リドル。15歳。

「ねーリドル」
「何?」
「暇だよわたし」
「へえ」
「何かしようよ」
「僕今忙しいから」
「せめてこっち見て言ってくんない」
「……今の君って、確かどんな魔法もきかないんだよね」
「え?あ、うん」
「色々試させてくれるなら遊んであげてもいいよ」
「一人でトランプしてます」

暇すぎる!!だが仕方ない!
色々試されるのなんて絶対ごめんなので、私はため息をついてトランプの置いてある棚に向かった。あ、リドルには立ち上がり様に下唇を引っ張る最高のあおり顔を披露しておいた。
突如足元に現れるバナナの皮。私はお尻を強打した。

「っっっ(悶絶)」
「君本体でなければいくらでも魔法は有効だからね」
「わたし女の子だよリドル!?もっとやさしくして!」

涙ながらに糾弾すれば、
何やら呪文を唱えたリドルがトランプをふよふよ浮上させて運んできてくれた。
「どうぞ、レディ」
「リドル…………はっ!あぶない!」

一瞬優しいと騙されそうになったよ!
女の子を転ばせて放置した挙げ句トランプの一人遊びを強要する奴はたぶんそんなに優しくない。

「騙されないんだからね!!」
「ナマエ、これ君にあげるよ」
「ん?なにこれ」
「魔法界一美味しい飴」
「ありがとうリドル大好き」

んー!飴ちゃんおいしい!
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