「もう寝たか…早ぇな。のびた君じゃあるまいし」

すぐそばにある鼻をつまむ

頬を指でつついて

唇を撫ぜた。

まったく起きる気配がないのが腹立つ。

あと俺を男として見ていない事にも腹が立つ

何がエベレストだバカヤロー

俺というイケメンがこんな近くにいるってのに。

もしお前に彼氏なんかできた暁には、…どうしてやろうか。

実際笑えねェ

急にもどかしくなって、一回りほど小さい身体を抱きしめた。

やはり起きる気配はない

呑気な寝顔だ

「…」

ローは長い溜息を吐いて、小さく笑った。――考えても仕方ねぇ、か

目をつむればすぐに降りてくる眠気に身をゆだねる。

明日はどうやって起こしてやろうか

とりあえず寝ざめのキスでも奪ってみるか

たぶんあいつ殴りかかってくるだろうな

朝だから力加減は皆無

…盾にフライパンでも持っとくか。

そんなことをぼんやり考えているうちに、ローもまた眠りへと落ちていった。

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