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「それで、どういうつもりだ」

メリーゴーランドに乗りたいとはしゃいで一人(キッドとローが断固拒否したため)その列に並んでいるなまえを眺めながら、キッドは忌々しげに尋ねた。


「こんな危険なことをテメェが何の目論見も無しにやるわけがねェ」
「ずいぶん買い被られたもんだ」
「煩ェ。とっとと答えろ」

ローはなまえを眺めながら、笑みを浮かべた。

「ほとんどただの暇潰しだ」
「へえ、殺す」
「あとは、興味だな……あのユースタス・キッドがどっぷりハマって仕方ねェ女がどんな奴か気になってな」
「テメェは………相当な暇を持て余してるらしいな。
あと俺は別にどっぷりなんてハマってねェ」

強情な奴だ。
そう溢して、ローは再びなまえに視線を向けた。
ーー瞬間、古いコントよろしくガクッと脱力する。

「………おい、あいつは何やってる」
「あ?……………はあ」
キッドは眉間を揉みながら深いため息をついた。




「おれのウーマー1号の方が速い!!!」
「わたしのキャプテン・レッドパイレーツ・キッドさん号が負けるわけないでしょ!!勝負だ麦わらぁ!!!」

メリーゴーランドの白い馬と、赤い馬に跨がりつつ「どー!どー!」と埋まることのない距離を競い合っているなまえと麦わら。
(奴の一味の大半は知らない人の振りをしてやり過ごしている)


「色々ツッコミてェことはある。だが、まずは………」

キッドはどこからか取り出したスパナを振りかぶり、ぶんっとそちらに投げつけた。それは抜群のコントロールでなまえの後頭部に当たり、彼女は声もなく落馬することとなる。

「俺を差し置いて他の海賊と喧嘩するんじゃねェ!!!」
「…………そこか?怒るとこ」

ローがぽそりと落としたツッコミは誰の耳にも入ることはなかった。




※次回から原作から少し話が逸れます。
ご理解のある方のみどうぞ!

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