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「………」

なめてかかっていた。

「キッドさんは分かる……キッドさんは分かるよ、日々その恩恵に預かってるもの。でも、っでもトラファルガー!!まさかアンタまでそんな、っ、く!」

ニヤリと笑うトラファルガー。
あえて言葉を伏せまくった私の努力むなしく、心の中はすっかり見透かされているらしい。

「どうした、見惚れて」
グレーのジャケットに、お洒落なハット、ピカピカの革靴は見るからに値が張りそうだ。
しかし似合う。モデルさんみたいだ(刀を持ってなければ)と思ったことは墓場まで持っていく秘密にしよう。

「オイ、これでいいか」
「………〜〜〜っ!!」

はい、トラファルガーが一瞬で塵と化しましたとも。

「ぐぁぅ……っ、す、てきです…ご主人様ぁっ……!!」

赤い縞模様のバンダナで髪を上げ、
グレーのワイシャツに黒のパンツ姿のキッドさん。
腕の装飾はいつものままだが、これはもう、道端のイケメンだ!シンプルスタイルの癖に!かっこよさ∞かよ!!

「人相の悪さが隠しきれてねェぞ、ユースタス屋」
と言って丸いサングラスをかけさせたトラファルガーだったが、それはそれで、ごちそうさまな出来映えだった。


「なまえ、お前も着替えろ」
「えー……私もですか」
「ご主人様の言うことが聞けねェのか?」
「いや私のご主人様キッドさんなんで。」
「とっとと着替えてこい」
「(キッドさんまで)……どれがいいでしょうか」

店の中をぐるりと見回した二人はそれぞれ別方向に歩き出した。
数分後、もう一度戻ってきた彼らは大量の服を抱えていた。だくっと汗が出てくる。

「試着しろ」
「え……これ全部…?」

かくして、私の衣装合わせが始まったわけである。

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