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「ほう、あの変態女とうとうはぐれやがったか。誰だ手綱握っとかなかった野郎は」
「お前だ、キッド」
「ああ?」
「どうする、探すか」
「知るか放っとけ!!俺は一人で飲んでるからテメェ等も好きにしろ。コーティング屋探しは後回しでいい、久々の上陸を存分に楽め!集合は二時間後に船だ、オラとっとと行きやがれ!」
「は、はい頭!!」

要約: 総員、直ちになまえの身柄を確保せよ



「キャプテン!今ユースタス・キッドのところのクルー共にはちあったんですが」
「怪我人は」
「いや!それが、奴らそれどころじゃないとか何とかぬかして俺たちを素通りしやがったんですよ!」
「……素通り、だと?」
「誰かを探してるみたいでしたよ」
「あ、おれ名前を聞きました!たしか、なまえとかなんとか」
「え!!」

それまでジャムパンに夢中だったベポがぱっと顔を上げローを見る。既に深い笑みを浮かべていたローを確認すると、彼は静かに諦めの心情を抱いた。
(キャプテン、悪いこと考えてるときの顔してる)

「お前ら、あえて探す必要はねぇが、もしそいつが居たら縄くくって連れて来い」
「はい!…って、誰なんすか?その女」
「ユースタス屋んとこのクルーだ。兼、アイツの女」

仲間たちの驚愕に満ちた声を耳に流しつつ、ローは思わぬ再会にほくそ笑むばかりだった。

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