「リリー!リリー起きて!おはよっ」 「……なまえ?」 「珍しくとっても早起きな私がリリーを起こしに来てあげたよ」 「ほんと……でも私まだ眠いわ」 目をこするリリーをぎゅっと抱きしめてしまうと、彼女は綺麗な目をしぱしぱと瞬かせて驚いた顔をした。「どうしたの?なまえ」 「だっていいお天気だから……ねえリリー、朝のお散歩をしよう?」 リリーは仕方ないわね、と眉を下げて微笑んでくれた。 優しいリリー。 あなたが愛に溢れた女性なおかげで、色んな人が救われるんだよ。 「ところでリリー、ジェームズについてどう思う!?あのへっぽこモジャ」 「急にどうしたのよ、嫌いよあんな奴」 「ふーん、じゃあ私がアタックしちゃおっかな」 「え!?だ、だめよ!だって―――…ポッターなんかになまえは勿体無いもの」 「うふふ、ありがとリリー!でも……ジェームズも結構いい奴だよ」 そのうちリリーもきっと分かるよ、と告げると彼女は怪訝そうな、不思議そうな顔をして首をかしげた。 「あ、ルシウスだ!」 「ちょ、なまえ」 「じゃあリリー!またね」 ……さよならするとなると、なんだかちゃんと目を合わせられないなあ。 ← top → |