「単刀直入に聞くけど、なまえ」
「は、っはい」
「叫びの屋敷に入る時、どうして僕に確認を入れたの?」

ギクッ、そこは、元ハリポタファンとしてつい反射的にそうしてしまっただけででしてね……。触れないでいただきたかった。

「そ、そりゃ……悪戯仕掛人の中じゃリーマスがほら、常識人でしょう?良き悪しは常識人に尋ねるってのがセオリー」
「………本当に?」
「うん。やだな、変なところに拘る子だね」
「なまえ」

私は口を閉ざした。
私を箒の後ろに乗せたリーマスの横顔が、少し悲しそうだったからだ。

「僕はね、君にまだ隠している事があるんだよ」
「―――や…やだな、リーマス。隠し事なんて誰にもあるよ!それに私だって」
「なまえ。……お願いだから、聞いて」
「……」

腕を回したリーマスの身体から、小さな震えが伝わってくる。(…ああ)


「僕は、人狼なんだ。」


なまえ、
――君は知っていたんだね。



どこかか確信めいたリーマスの問いかけに、私は、頷くしかなかった。
どうしてセブルスといいリーマスといい、私に嘘を吐かせないようにするんだろう。そりゃ、いけないことだけれど。真っ直ぐ尋ねられてしまえば嘘を吐けない私もどうかと思うけど。

「……ごめんね、私、嘘ばかりだよ」
「なまえ」
「聞いてくれる?リーマス……、私の話」
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