白い雪を店の明かりがカラフルに彩り、私達の心を弾ませる。私とリーマスが真っ先に足を踏み入れたのはハニーデュークスのお店だ。
「リーマス、あたし死んでもいい」
「なまえは初めてだもんね。僕は何度も来ているけど、君とは同意見だよ」

手に取ったり眺めたりするだけでも心が満たされるから、たぶんここは幸せの原点なんだと思う。(真顔)
心行くまで楽しんで、二人で会計を済ませて店を出ると、待ちくたびれた様子の三人が口々に文句を言ってきた。

「グリフィンドールから豚二匹も出荷したくねーんだけど」
「シリウス、後で決闘ね」


――まあ待っていてくれたのだから、次は三人の行きたい所に行くか…ってな具合で行きついた先は、ゾンゴの悪戯専門店。ハイ、バトンタッチで私のテンション・降下する間もなく再上昇。

「うほああああ!何これすごい!面白い!」
「だろ!心躍るよな」
「悪戯好きにはたまらないんだよ」
「欲しいい!お金足りるかな」
「いざって時は貸すよ、なまえ」
「ありがとうピーター!」
「なあブロングス、次はこいつを使ってスニベルスを苛めようぜ」
「こら駄犬!お座り!」
「まさかオレ!?」
「そうよ。セブルス苛めるならまずあたしを通してもらおうか!」
「何でだよ」
「あたしに勝てないワン公にセブを苛める資格は無い」
「俺がお前に負けた事なんてあったっけ!?」
「問答無用!そいやっ」
「――グホァァア!!!!」


サンプル品として置いてあった激辛ムーチュ(淡いピンク色の金平糖。舌が燃える程からい)を投げつけて事を済ませた。うん、アイムウィナー。





「あれが…叫びの屋敷」
「…何度見ても不気味だな」

私達はそれぞれ満足に好きなものを買って、ふらふら歩きながら屋敷に近づいた。其処は予想以上に怪しい雰囲気を放っていたが、まあ言うなればボロ屋敷だ。
(卿の家も外見あんな感じだったけど、中はアレ超ゴージャスだから。)

「まあ見た目では何とも言えないし!さ、レッツラゴー」
「嘘だろ、入る気かよ!」
「何かなシリウス君。怖いのかなジェームズ君」
「僕今何も言ってなかったよね」
「別に怖くねえ…!」
「ヘタ、」
「ヘタレじゃねえぞ!!」
「ほ、本当に行くの…?止めた方が良いと思うけど…」
「大丈夫だって」

こちらの世界に来てから、一度は行ってみたい場所であったのだ。

「いいでしょ?リーマス」
私に尋ねられたリーマスは、数秒後、優しく微笑んで頷いた。
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