グラスが私のネクタイを引っ張って、斜め上から凄んできた。眼鏡の奥の瞳は青みがかった灰色で、そこからは怒りが滲み出ている。

「この僕に手を上げるなんて……流石は薄汚いグリフィンドールだ!」

私も負けじとグリーンカラーのネクタイを引っ張る。

「先に喧嘩吹っかけてきたのはそっちでしょ?」
「ハンッ、何の事だ?」
「しらばっくれやがって。眼鏡叩き割ってやろうか!」
「そんなことしたら、父上がただじゃおかないぞ!言っておくがな、僕の親は魔法省の」
「お前は親世代版ドラコか!!」
「な、なに?」

私はネクタイを引っ張りつつ引っ張られながらも、ルシウスの方に顔を向けた。
ルシウスのアンチキショーは我関せずとでも言うような顔でコーヒーをすすっている。止める気は毛頭ないようだ。

「ルシウス!」
「は、……何だ」
「私、子供にこんなこと言わせる親は断固として正すべきだと思うわけ!」
「…だから?」
「親の権力を盾にしない立派な子供を育てて行こうね!」
「ブッ!!」

ルシウスが噴き出した。
キャラ大丈夫かな、あいつ。

「な…なんだお前ルシウス先輩が好きなのか!?そうなんだろ!だからこんなところまで押しかけてきて…グリフィンドールのプライドは無いのかよ!」
「グリフィンドールのプライド!?何それおいしーの!?プライドチキンですかコノヤロー!」
「お、おい、こいつ変だぜ止めとけグラス!」
「黙ってろワン公!」
「なっ」


※なまえの「なんちゃって注釈」タイム(はあと)
「アメリカン・ウォーター・スパニエル」は鳥獣狩猟犬の一種だよ\(^o^)/
名前の通りお水が大好き!

遊び好き度★★★
番犬適性★★★★
知らない人への友好度★

◎耳のあたりが毛で覆われているので、外耳道にまで毛が伸びていかないよう、こまめに手入れをしてあげましょう!


「(今無駄な注釈が……)」
「いい!?あたしはルシウスは好きだけど、今はそんな事言ってる場合じゃないの!命かかってんだぞコラ」
「な、何だってんだよ」
「明日はテストがあるらしいじゃないの!頭の良いあたしは、要領よくモノを覚える為に頭の良い奴んとこに来たんだよ!」
「それのどこが命にかかわってるんだよ!たかがテスト、…………テスト?」
「?」

私のネクタイをぱっと離したグラス。
彼は横にいるスパニエルに視線をやった。スパニエルも少し青ざめて彼を見返している。
ん?この反応見覚えあるな。

「……君、グリフィンドールのブラックやポッターと仲がいい転入生だろ」
「そうだけど」
「…僕らと学年同じか?」
「あったり前田のクラッカー」
「……一応聞いとくけど、そのテストって、羽ペン持って問題とくやつ?それとも俺達の知らない違う意味のテスト?」
「普通に先に言った方だけど…」
「ハハ、そんなバカな。テストなんてそんなの」
「あるよ」
「………明日?」
「明日」
「…」

にやり。
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