「成程。それで嫌がるレギュラスを無理やり…」ことりと紅茶のカップを置いたルシウスは言った。

「やめてくんね?その言い方やめてくんね?」
「ルシウス先輩が来てくださって本当に助かりました」
「レギュものんなや!あたしがチカンみたいじゃないか!」
私は手元のクロワッサンをもっさもっさと頬張った。とても美味しかったけど、ジャムが微妙だな。私イチゴよりラズベリー派だ。

「というか、何故またスリザリンテーブルに?」
「レギュラスと話し込んでたらお昼になっちゃってさ。そして継続して話したいから来た」
「授業はどうした」
「全部サボった。な?」
「すいませんルシウス先輩。けど、誓って僕の意志ではありません。僕は真面目な後輩です」
「分かっている。脅されたんだろう…可哀想に」
「脅してないもん。お喋りしてくれなきゃ全身を糖蜜パイまみれにしてやるて言っただけだもん」
「それを脅しと言わずして何と言うんだ」

深い溜息を落としたルシウスは、ヨーグルトを皿に入れ始めたなまえにラズベリージャムを渡してやった。

「ありがと、って…えええ!!?ラズベリー!どしたん?」
「屋敷しもべ妖精に頼んでおいた」
「…っさすがルシウス!良い嫁になるよ!むしろあたしがもらったろか」
「遠慮する。…」
「ん?」
「クロワッサンもまともに食べられないとは」

その後にはきっと「わが君が聞いたらなんとか」と続くのだろう。白いテーブル布巾で私の口元をぬぐいながらぼやくルシウスにハイハイと返す。

ふと視線をレギュラスに移して、はっとする。
レギュラスは私の世話を丁寧にやくルシウスに唖然としているご様子。
私とほとんど同時にルシウスもはっと手を止めた。

私は別にいいけどキャラ作ってるルシウスからしたらこれは壊滅的なミスなはず。さてどうごまかすかあばぶぶぶ!

「る、ルシウスてめ」
「大人しくしていろ。マルフォイ家の親族なら世間体に恥のないようにせねば」

ゴシゴシガシガシ

「いててててて!」

こ、こんな乱暴なカモフラがあっていいのか!
あれでもレギュラスのやつ納得な顔してるな。失敬だ。
とりあえず今日言いたいのは、あれだ。習慣って怖いねルシウス。
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