「あなたは昨日の…」
「?私どこかで会いましたっけ」
「…いえ」
「ん?つーか君……」


私は中々高い位置にあるその青年の顔をよく見るためにネクタイを引っ張った。
ちょっと…
とやや不機嫌そうな彼。
整った顔が歪み、眉が寄せられたのを間近で見て、私はあああ!っと大声を上げた。

「な、何です」
「やっぱり!その不機嫌そうな顔がそっくり!…君、レギュラスでしょ」
「!」
青年は途端に驚いた顔になった。
よく見ればネクタイもスリザリンカラーだ。

「私は、なまえ。君のお兄さんとかと仲良くさせてもらってます!よろしくね」
「よろしくする気はありません」
レギュラスは差し出された手を無視し、服を整える。

「え、何で」
「僕は兄と親しくないので。」
「え、何で」
「こちらの事情です。じゃあ」
「ちょ…あんた、もう……待たれい!!」

すごい大きい声で呼び止められたレギュラスは足を止めた。
興味はあったが、親しくなる気など毛頭ない。
なぜなら彼女はあの愚かな兄の友人で、忌むべきグリフィンドールで、

「レギュラス」

これだけ嫌な扱いを受けているというのに、
彼女はこちらも驚くくらい綺麗な笑顔を浮かべて僕に言った。

「あんたとシリウスの関係なんてどうでもいい
 ――友達になろうよ!」
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