「王子様、だもん…ね」
「……なまえ」

私がそう言うと、セブルスは私の頬に触れた。私は口を押えたまま目を反らし続ける。――や、ばい…今目合わせたらきっと

「なまえ…こっちを向け」
「、ぶ
ぶひゃはははははははあはひいでででで!!」
「いつ見た!貴様いつ見た!」

ばっとテーブルの上の教科書をローブの中にしまったセブルス。
開いてたから裏面の名前は見えなかったけど、メモだらけの教科書見たら思い出しちゃって…笑い堪えるの苦労した。息とめたし。
私のほっぺたをすごい力でつねるセブルス。
ちょ、違う意味で赤くなるわ!

「見へない、見へないってぇええ!半純血のプリンスとか知らないってぇえへへあは!」
口に出したらまた面白くなってきた。
「いい加減笑うのを止めろ。宿題手伝わないぞ!」
「ごめんなひゃい!」

ピタリと笑い止んだなまえはセブルスの後ろにいる人物にようやく気が付いた。

「ひリウフ?」
「あ……ああ、お前ら、何してんだよ」

明らかにきょどってるシリウス。
セブルスはフンっと鼻を鳴らし私の頬から手を離した。

「ふー、笑った。何って勉強だよ?してんじゃん、セブルスが」
「そうだけど…でもさっき」
「どうしたんだいシリウス!急に走り出して。バレちゃったじゃないか」
「わお。何だ勢揃いじゃん!どうしたの皆」
「僕らも図書館に用があってね」

「リリー」
「こんばんわ、セブルス」
「ああ」
「あなたなまえと仲が良かったのね。知らなかったわ」
「別に…普通だ」
「あら!でもさっきは楽しそうだったわよ」
「うん。ごっさ楽しかった」
「お前はな」

自然な動作でセブルスの横に座るリリー。むっとしたらしいジェームズがその更に隣に座り、何故かフラフラしたシリウスが静かに私の横に腰かけた。
ピーターとリーマスも腰を下ろす。何だこれ。セブルスはそんな顔をしていた。
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