「僕らは見た!」
「…」

何それ、家政婦は見た!的な何かかなポッター君。

「僕らに隠し事なんてあんまりじゃないか。なあ相棒」
「ああ」
「くそ、バレたか……ごめんリーマス、私あなたが大事にしてたイチゴキャンディ食べちゃった」
「なまえ。ちょっと二人きりで話がしたいんだけど」
「ひい!どうかお許しを!」
「ムーニー、悪いけどなまえの制裁はまた今度にしてくれ。尋問が先だ」
「あんま大差ない」


私を一人掛けのソファに座らせた後、ジェームズは私の前に仁王立ちになり、斜め右にはシリウスが構えた。な、何だってんだ一体。

「さあ、話してもらうぜ」
「…?」
「何で君が、あのスニベルスと一緒にいたのかを、ね!」

何でと言われても、と私は口ごもった。
そうだった…忘れてたけど、ジェームズ達はセブルスと仲が悪いんだっけね。

「それはあたし達が友達だからだよ」
「友達?君とアイツが?」
「そ。実は、皆に会うよりもっと前からね」

私の口から出た新事実に二人は驚きを隠せない様子だった。でも…だって…と次にくる言葉が見つからないようで、ジェームズは目を白黒させていた。

「君……今までずーっと僕らといたじゃないか!」
「や、だからね。ホグワーツに来る前に一回会ったの」
「「どこでさ」」
「ダイアゴン横丁。迷子になってた私を助けてくれたの。いわば救世主?ヒーロー的な?」
「スニベルスがヒーロー?ハッ」
「笑わせてくれるぜ」
「セブルスはいい人だよ?少なくとも、魔法薬学の宿題移させてくれるくらいは心が広いもの」
「何!?お前余裕こいてると思ったら…奴をあてにしてたのか!」
「ふっふーん!ざまあみなさいシリウス君。人脈はこんな所で役につんですよ〜」
「くっ、何かムカつくその顔」
「ダメだなまえ。宿題なんて僕が見せてあげるとも!」
「やだよ。ジェームズ字汚いし」

100ダメージ!と言いつつ隣のソファに沈むジェームズ。これ幸いと立ち上がった私は、二人に手を振りながら女子寮の階段へと向かった。

「あ!コラ待てなまえ」
「じゃあ夕食の時またねーい」

二人とも変なとこ過保護だな。
私はせめて彼らの熱が冷めるまでは部屋に閉じこもっていようと決めたのだった。
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