「なまえッッ!!」
「ジェームズッ!」

仕掛け人3人とリリー、それから談話室に居たグリフィンドール生達は真っ青になって悲鳴を上げながら窓ににじり寄った。
この高さから落ちたら即死だ…!
まずシリウスが窓から乗り出して下を見た。すると、猛スピードで二つの何かが競り上がる様に脇を滑りぬけて空へ駆けあがる。


「い――――ぃやっほーう!!」
「なまえ!君って最高だッ」
「ジェームズもね!ドッキリ大成功ー!」

空中で箒にまたがり、ハイタッチするなまえとジェームズ。シリウス達はここでようやく全てに気が付いた。


「あー…やられたぜ!」ニヤリと口角をあげる。
「うーん、迫真の演技だった」
「なんだぁ…よかったあ」
「も、もう!!」

リリーはシリウスを押しのけて窓から顔を出す。

「二人とも!!戻ってらっしゃい!まったく、心配して損したわっ」
「リリー!私飛べるようになったよー!」
「いいから早く戻ってなまえ!」
「リリー!結婚しよう!」
「あなたはどこか遠くへ行ってちょうだいポッター!」

なまえが空中でくるりと回転して、ジェームズが箒の上にひょいと立っておじぎをする。いつのまにか観客のように集まっていたグリフィンドールの生徒達からは歓声と拍手が送られた。
リリーはふらふらとソファに腰を下ろす。


「はぁ…私もう頭が痛いわ」
「ほらリリー、これを食べるといい。気分が落ち着くよ」
「ありがとう、リーマス。あなたって良い人ね」

暫くすると歓声に答えていたなまえとジェームズが、シリウス達と共に室内に戻ってきた。

「あー!楽しかった、空を飛ぶってすんばらしー」
「もう!」
「あ、リリー…ごめんね。あと心配してくれてありがとう」
「本当よ。私、あなたが落っこちちゃったと本気で思ったわ」
「流石に俺達も焦ったぜ、ジェームズ」
「ハハ、それは悪かった」

あまり悪びれずにそう言ったジェームズは肩をすくめて続けた。

「なんせなまえが、中々の飛行センスの持ち主でさ」
「へえ!」
「コツを掴んだ途端びゅんびゅん飛び回るもんだから、君たちも驚かせたくなったんだ」
「ビックリしたでしょ」

にへらと笑ったなまえ。
リリーは呆れたように溜息をつきながら、微笑んで頷いた。

「1日であんなに飛べるようになるなんてすごいわ」
「ふふふーん!卿にも教えてあげなきゃっ」
「ロード?」

……あ、やべ
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