「まったく、散々な目にあった!」
「それはこっちのセリフだっつーの」
「大体君は容量が悪すぎるんだ」
「ジェームズの教え方が下手くそなだけでしょ!」
「何だと」
「何よっ」

「ちょ、ちょっと二人とも…!」


談話室でくつろいでいたリマース達のもとに帰ってきたなまえとジェームズは箒を片手に、頭や服に落ち葉や泥をくっつけて互いに罵り合っていた。


「どうしたんだよお前ら!なまえはそんなに箒が下手だったのか?」
「違う!」
「違わないだろ!」
「二人とも少し落ち着きなよ」
「ああ、分かってる。分かってるが、ムーニー…。下手なだけならまだいい!彼女僕を巻き添えにして盛大に転ぶんだ!」
「わざとじゃないって言ってるでしょ!この爆発頭!」
「君だって寝癖酷いじゃないか!リリーのように身だしなみに気を遣ったらどうだい?」
「私外見はこうでも中身が素敵だからいいんですー」
「中身もボサボサだろ!」
「中身ボサボサってどういうことじゃあああ」
「ぐおっ」

本格的な喧嘩が勃発しかけた時、談話室の入り口の方から小さな悲鳴が聞こえた。


「ちょ、ちょっとやだ!何してるのよポッター!なまえを離しなさい」
「リリー!」
「リリー!」
「隙あり!」
「ぶはっ……やったな、くらえ!」
「痛!そのチョップ中々いたいよっ」


「り、リーマス!あの二人どうにかしてちょうだい!」
「僕には無理だよ。…パッドフット」
「俺もあん中には入りたくねェしな。…でもあいつら何で箒持って入ってきたんだ?」
「喧嘩に夢中で戻すの忘れてたんじゃない?」
「ね、ねえ…あの二人だんだん本気になってきてるような…」とピーターが言いかけたところで、ジェームズとなまえはいよいよ掴み合いになった。


「このちんちくりんめ、僕のメガネにちょっとヒビが入ったじゃないか!」
「そんなダサ眼鏡叩き割ってやる!」

「ふ、二人とも危ない!!!」
「おいジェームズ!そっちには窓が」
「「え?」」

ぐらっ
絡み合って傾いだ二人の体は、大きく開いた窓の外へ吸い込まれるように落ちていった。
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