「やっと戻ってきやがったか!オイ…6分はどうした」

「キッド」

「あ?」

「……さっきはごめんね」

「…」

「でも、―――ちょっとキッドとお散歩したかったの」

「…」

「空を飛ぶのは気持ちがいいよ」

「…」

「キッドは海を泳げないから、それなら空を飛べばいいかなって…そりゃもう安直だったけど」


「…」

「だって綺麗だったから」




「綺麗なものは、どうしたって誰かと分けあいたくなるじゃない」



目線を落とせば、キッドの爪先がこちらへ近付いて来た。両頬を大きな手の平がつつむ。

「素直なテメェは気持ちが悪ィな」


何だと!と噛みつくより先に、無造作に頭を撫でられた。
わしわし
わしわし

「ちょ、キッド!髪の毛がグチャグチャ…」
「ほっとけ」
「も…もう…」


「見ろ頭達、もう仲直りしてるぞ」
「心配損だな。ほら、飲み直すぞお前ら!」
「おう!!」
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