「自分で変だと思う人間は変じゃないってアンタ言ってたわよね。私も全くその通りだと思うわ。私が男を征服する事を心地好く思うのだって自分で変だと思っているのだから、私は変じゃあないわ。至って普通。そうでしょう、アレッシー」

うっそりと笑って膝を自身の股間に押し付けそうのたまう彼女に、アレッシーと呼ばれた男は口を半開きにして冷や汗を垂らす事しか出来なかった。

此処はDIOの館で、自分達が今居るのはその廊下である筈だ。

どうして俺はこんな所で、壁に押し付けられ、更にはDIOのお気に入りと名高いこの女スタンド使いの足を股間に押し付けられなければならないのか。

こんな所を他のやつらに、DIO様に見つかったらどうなるか。

そんな事を考えるので精一杯で、状況を上手く飲み込めない男に、女はくすりと笑う。

「大丈夫、きっと誰も来ないわ」

「っ」

耳元で怪しく、熱い吐息を吐かれてぞくりと背筋が震えた。
敏感なそこを足で優しくぐりぐりと刺激され、もう涙さえ滲んでくる。

そんな自分を見て、満足そうに美しい微笑を浮かべたそれに、抵抗する気力だって持っていかれてしまう。

いつか仲間内で犯してやろうとか息巻いていたのが嘘みたいに、そんな意欲は沸いてこなかった。

彼女のその眼に見られるだけで、熱で浮かされて。ずぶずぶと泥濘にハマったようになる。

「カイリ、」

女の名を震える声で呼べば、楽しそうにその口元が歪む。

途端に優しかったそれが痛いぐらいに変わって、アレッシーはたまらず悲鳴をあげた。

「うあ゛、っ」

「ふふ、可愛い」

痛い。痛いけれど、気持ちよくて。
気付けば、下着の中にシーメンを吐き出してしまっていた。

脱力感と共に、うそだろと叫びたくなる衝動に駈られ、思わず顔を両手で隠してずるずると座り込む。

あ、あああり得ない。こんな、足だけで。呆気なく。

「あらあら、出ちゃった?」

口元に手をあてて、くすくすと笑う彼女に、ただもう呆然とするしかなかった。
この短い間に男としての色々なものを奪われてしまったような、喪失感。

まさに賢者タイムよろしくの自分に彼女はそっと顔を寄せると。

「それじゃあまた、ね。アレッシー」

なんて言って、暗い廊下に消えて行った。

また、とか。

今一度顔が熱くなるのを感じて、今度こそたまらずに膝の間に顔を埋めた。





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