memo simple is the best! ::恋慕というもの(※魚單魚右/twst) ※エロ わたしにとって、耳障りのいい言葉ばかりを永遠に謳っていてほしい。 どうかずっと、都合よく微笑んで。 諦念の滲んだ瞳も、関心がないと言わんばかりに逸らされる視線も、いらない。 その薄い唇から不意に紡がれる、何気の無い言葉に怯える瞬間なんて、一生来なくていい。 私の言葉に頷いて、どうか私を肯定して。 つまらない、という言葉がその口からこぼれる度に喉が鳴る。たとえそれが、己に向いたものでなくとも。 私に愛されるためだけに生きてほしい。 どうかずっと、私に愛されようともがいて、足掻いて。 愛玩動物のように、水槽の中の魚のように。 それが出来ないなら、泡となって消えてくれ。 頼むから、頼む、お願い、お願い。 「くるしい〜」 真下から気の抜けた声がする。 はっとして、指に込めた力を弛めた。 「小エビちゃん、今日はやけにグイグイくるねえ。どうしたのぉ?」 ベッドの上、私の下で男はニタニタと笑う。 私が無言でいると、男、フロイドは、自分の首にかけられた手をとって、口元へと持っていくとじゃれるように甘噛みをはじめた。 その様がまた、憎らしくて、愛らしくて。 腹いせのように、彼の股関を圧迫していた膝に重心をさらにかけてやると、彼は心地よさそうな声を上げてくすりと笑った。 「ぁ゛、っ ん きもち〜」 私の嫌いな彼の冷めた目が、だらしなく快楽に緩んでいく。もっと、もっと、と急かすように、股関を自らぐりぐり押し付けてくるフロイドをただただ見下げる。 甘えるように笑う彼に内臓をかき乱されるような錯覚を得る。ああ、可愛いね。いっそこのまま睾丸を潰してやりたい。 感情のままに、ぐりっと膝に力を込めて押し込めば、フロイドの体が大袈裟に跳ねた。 「い゛、ぁっ !」 自身のソコを守るように身を丸めたフロイドの体を今一度開く。下着越しにやわやわと陰嚢を揉んでやると、擽ったそうに体を捩らせた。力を入れて握れば、また悲鳴が上がる。 「う ぁ゛ッ あ っ! ァ゛っあッ あ〜〜っ」 握って、開いて、また握って。 痛みに身を捩って喘ぐ姿に、否応なく下腹部が反応する。 掌の開閉を繰り返しながら、もう一方の手で、びん、と固くなった亀頭に触れると、フロイドの腰がびくっと揺れる。 先走りをにちゃにちゃと捏ねるように、刺激を加えるだけで、快楽に弱いフロイドはだらしなく声を上げて泣く。 あのオクタヴィネルのフロイド・リーチのこのていたらく。普段フロイドに脅かされている連中からすれば大層見物なことだろう。 「小エビちゃん、小エビちゃんっ」 イクイクイクイクと、腰を浮かして喘ぐフロイドの熱に飲み込まれながらも、私は変わらず、白けた目で彼を見下ろしていた。 達する直前で、手を止める。 快感に耽っていたフロイドが、驚いたように、蕩けた目を見開かせ、此方を向いた。 「なあに、小エビちゃん、どうしたの……」 寸止めをしたのはこれがはじめてだ。 早く、と焦れたように、こちらを見つめるフロイドの瞳が揺れている。 「イきたい?」 「イきたい、小エビちゃん、早くうー……」 気持ちいいのを取り上げられたフロイドが、片頬をハリセンボンのようにぷくっと膨らませる。 じゃあ、と無言で舌を出せば、こちらの要求を理解したフロイドが長い舌を突き出してかじりついてくる。 舌を絡めて、ギザギザした歯の合間をなぞっていけば、心地よさそうにその長い睫毛が震える。 上顎を舐めて、一度離れて、吸い付いて。 互いの間から、どちらのものとも言えない銀の糸が出て、溢れ出た愛液が口端を伝っていく。 「っ、ふ ぅ ッん……えへ、オレ これも好きぃ」 もっと、と言わんばかりにフロイドが、私の後頭部に腕を回してホールドする。 我ながら馬鹿らしく思うが、求められていることに安心する。 「んっ あぅ、はっ ぁ」 息を吸うのも忘れて、お互いの口内を散々に掻き回した。 「はーっ、はーっ…… 小エビちゃん、満足した?」 二人して酸欠になってようやく離れる。 それはこっちの台詞だと、荒い息をつきながらも、汗で額にベトベトに張りついたフロイドの前髪を、ぐっと掻き上げてやる。 へへ、と幸せそうに口角を緩めるフロイドに、また心の臓がきゅうと締まったような心地がした。 「満足したならさあ、ね?」と、張り詰めた自身を擦り付けられて、溜め息を吐く。 あーあ、このまま腹上死してくれたらいいのに。 back ×
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