不安な心4





「はぁぁあああ!?別れたいって云ったの嘘だったのかよ!?」

『天火ごめん!わたしいつも振り回されてばかりで大切にされてる実感がなかったから、空丸君の提案につい乗っちゃったの』


ごめんなさいと云う天華に、天火は謝るなと顔を上げさせる




「元々は俺の所為でお前を傷つけた結果の行動だろ?むしろ俺が悪い、悪かった」

『天火……』


その後二人で話し合いをした結果、実は天火の行動は私を好き過ぎるが為の嫉妬だと云うことが判明した



『じゃあ今までのって…』

「お前が他の男と仲良さそうに話してるのとか見てムカついたり、今日は何か浮かない顔して考え事してるのに俺に何も云ってくれないのが悔しくて……、そういうのが表に出ちまってたんだと思う」


本当に悪い、と天火は再度私に謝る

なんだ、都合のいい女とか冷めたとかじゃなかったんだ



『もう謝らなくていいよ、私にも原因はあるんだし。ごめんね、天火』


「天華…」


確かに、天火に振り回される時って誰かしら居たし、考え込んでる時だったなぁ





ねぇ、空丸君

貴方の云う通り大丈夫だったよ

むしろ云って良かったかもしれない

多少なりとも天火を傷つけちゃったのは罪悪感があるけど、

おかげでこれからは上手くやっていけそうだよ

ありがとう、空丸君




「好きだ、天華。だから、これからも俺と一緒に居て欲しい」



小さいことで嫉妬しちまうくらい、お前が何より大事なんだ一一



『私もだよ。これからも、ずっと天火の隣に居させて下さい』



二人は互いに笑い合うと、どちらからともなく口づけを交わした



















おまけ






「兄貴、だから云っただろ?あんな態度ばっかりじゃ天華さんが不安になるって」


「しょうがねぇだろ、あいつの事になると抑えが利かなくなるんだよ」


「そのままだと、今度は本当に天華さんから別れを告げられるな」


「え!?ちょっ、それは勘弁して欲しいわ」


「じゃあ、もっと心広くして天華さんに接しろよ?」


「はい……」





end


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