「毎日が盆なのでまた来ました。土産もあるぞ」
「オレ甘いもの苦手だって知ってるだろ」
「サスケにはオレが選んだ刀だ。シンプルでかっこいいだろう」

 これって草薙の剣…きっと兄さんのことだから大蛇丸からぶんどった。さすが兄さんだ。

「少し大きくないか?」
「子供用じゃない太刀だからな。背が伸びたらオレが稽古をつけてやろう」
「…剣術より手裏剣術のほう教えてよ」
「許せサスケ、また今度だ」

 台所で洗い物をしていた蛇博士さんが顔を出した。その姿が母さんに被る。

「あらイタチ君、いらっしゃい」
「蛇博士さんが好きそうだと思って…この餡蜜買ってきました」
「相変わらず気が効くわね。でもサスケ君がいるのだから、土産なんて気にせず訪ねてもいいのよ」
「蛇博士さん…!」
「今からお茶にすると夕食が苦しいわね…。食後にいただきましょう。イタチ君、夕食食べていくでしょう?」
「ええ、是非」

 家族が揃うことはないが、この食卓も悪くはないなと思った。


「血湧き肉躍りたい」
「落ち着いてください」
「皆が食卓を囲んでいるなか独りの孤独感をなめるなよ」
「アジトに帰ればよろしいじゃないですか。弟と蛇博士さんに手を出したらカブトに幻術かけ穢土転生解除させます」

「眼鏡の穢土転生などとっくに解した」
「えっ」
「術者に言っておけ、禁術は容易に使うものではない」
「……」
「ついでに柱間も穢土転生してほしいものだな」
「おっしゃること矛盾してますよ」

「それと貴様の弟に稽古つけているのはオレだ」
「うちの弟に手を出さないでください!」
「向こうが火遁を教えろと請うてきた」
「サスケェ…兄さんがいるのに……」

 だって兄さんは里に居ないし…。蛇博士さんも忙しいからマダラさんと遊んでなさいっていつもオレを邪魔者扱いする。環境が変わっても、変わらないんだなこういうのは。

 

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