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うさぎを飼ってみたV<静帝>

2011/02/12 10:08


 そろそろ寝ようかと、携帯を充電器にさし、テレビを消す。帝人はソファで丸くなっていた。
「帝人、寝るぞ」
「むきゅ…」
 帝人はごしごしと目を擦り、ふらふらとした脚取りで寝室へと向かう。ベッドに転がった帝人の上に布団を掛けてやり、頭を撫でると「きゅ…」と小さく鳴く。
「帝人、俺はソファで寝るから下で寝るんじゃねえぞ」
「?」
 押し入れから毛布を取り出し、リビングへと向かう。寝室の扉を閉める前に振り返り、「おやすみ」と言えば、帝人はじいっと静雄を見ていた。
 ソファから脚がはみ出るが、寝れない訳ではない。静雄は毛布に包まり、目を閉じた。
 明日は朝から帝人をセルティの家まで連れていかなくてはならない。
 帝人について色々と疲れていたのか、すぐに眠ることが出来た。
「…ん」
 朝目が覚め、静雄はソファで寝た所為で痛む身体を伸ばす。寝ぼけながら脚を下ろすと、柔らかい何かの感触と、「むきゅッ」という声が聞こえ、視線を下へと向ける。
「きゅー…」
 ソファの横には帝人が布団に包まって眠っていた。腹を踏んでしまったらしく、押さえている。
「み、帝人?大丈夫か?」
「うきゅ…」
 ぷるぷると震えながら涙目になっている。静雄は慌てて帝人を抱き上げた。
「なんでこんなとこに…」
「きゅー」
「…寂しかったのか?」
 帝人は静雄の胸板に頬を擦り寄せる。この兎は寂しいと怖い外でも静雄を捜しにやってくる程だ。
 静雄はその小さな頭を優しく撫でる。帝人は撫でられるのが好きなのだ。
「…明日からは一緒に寝ような。でもベッドの下に潜り込むんじゃねえぞ」
「もきゅ」
 こくこくと頷いた帝人に、「偉い」と褒めれば嬉しそうに鳴いた。



一旦終わり


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