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某研究者の記録





某年某月
本日より日本での活動となる。
あの国の潜伏が予想よりも早く突き止められるとは想定外だった。
だが、今回はそう簡単にはわからない。
あの国で私は死んだことになっている。
いずれはばれるだろうが、それはそれで構わない。
今の私の姿はあの時とは違うのだから。
何よりこの国で私は良い賛同者を見つけた、これは大きな収穫だ。


某年某月
本格的に研究の続行を開始する。
今日までに得られたデータから私が考案するこの装置になんら問題はない。
ただ、適合する人間の条件がまだ安定せず。
この国ではこちらを重要視した研究をする。
今のところの成功例はゼロ。
素材集めからのスタートだ。


某年某月
廃棄をニ桁を超える。
成人の人間にはどうやら拒絶反応が大きく、脳が持たないようだ。
それに加え薬の作用を含めることを考えると成功の希望は低い。
対象年齢を下げる必要性があると判断。



某年某月

10歳未満の子供が最適の模様。


某年某月
あの人の協力により。
後日沢山の素材が入ることが確定。
とても楽しみだ、胸が躍る。


某年六月

これで当分困らないだろう。
あちら側には本当の狙いが何だったのか気が付いていないようで胸をなでおろす。
そんなに泣かないでほしい。
貴方たちは人間の限界を引き出すための礎となるのだから。
名誉なことなのよ。


某年某月

成人を使っていたよりも安定したデータは取れているが。
それでも駄目になることが多い。
今のところ四分の一が廃棄。
投薬の影響もあまり大きくない素材達が居る、興味深い。


某年某月

彼らは元から薬と縁が近い生活をしていたようで、その為だろうか。
この被験体たちは次の段階に移行する。


某年某月

被験者残り7人
それぞれの潜在的物が影響あるのかもしれない。
適合率が80%を超えるものが現れた。
すばらしい。彼らを適合者と称する。


某年某月

適合者残り3人
君たちが私の希望。


某年某月

彼女だけになってしまった。
私の病院に居た子だ。
彼女は会った時から惹かれるものがあった。
何せあのヒーローの子供だ。
元の素材は良いからと思っていたが予想以上の成果だ。


某年某月

装置との適合に問題はないが、
彼女自身の意識が安定しない、何かこちら側に浮上し続けるものが欲しい。


某年某月

そうか『お兄ちゃん』か
ならば、次はそれを採取してこよう。
本物でなくて構わない。
条件に合う者であればなんでも。


だってもうこの子は何も覚えていないもの