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- ナノ -







35


クロコダイルを倒すため、カトレアではなくレインベースに向かい始めて一日が過ぎた。

ユバに向かう道のりよりも長い距離を歩いていたけれど。
誰も倒れることがなかった、町が見えた瞬間にチョッパーやウソップは水!!と叫んでいたからまだまだ元気そうだ、よかった。
ナミちゃんはウソップから新しい武器をもらっていたみたいで、三本の棒をカチャカチャと触っている。いいなーとそれを見ているとナミちゃんがあんたも作ってもらえばと言ったのだけど、ウソップは首を横に振った。
「シロは元が強いから下手なもの持たすと逆にあぶねぇ」
こいつはこのままのほうがいいと断られたしまう。
「えーとそんなことないよ」
「あのな、普通の子供は炎なんか吐かねぇんだよ」
お前は俺たち弱小チームじゃないんだしっかり守ってくれよとグッと肩を叩かれる。はーいと返事をしている後ろの方であいつにプライドはないのかとゾロが呆れていた。
そうこうしているうちにレインベースにたどり着く。
ナノハナよりも賑わっていて、町の人たちも高そうな服を着ている人ばかりで戦いとか戦争とかまるでないかのような雰囲気だ。
町の真ん中に天辺に金色のワニが乗っている不思議な建物がある。
ナミちゃんの服を引いてあれ何と聞くと、彼女の目がキラキラと輝いてベリーの文字が見えた気がした。
「あれはね、カジノよ夢の建物」
「夢の建物」
そんな建物があるなんて知らなかった、すごーいとそれを眺めながら歩く。ひとまず、水の調達をすることになり船長とウソップが買いに行った。
船長はナノハナで騒ぎを起こしたからちょっと心配だ。
二人を待っているうちにだんだんとトイレに行きたくなってきてしまい、
「ナミちゃん、お手洗いに行きたい」
「いいけど、BWに見つからないでよ」
うんとその場を離れる。俺も行くとチョッパーもついて来て二人でこっそりと隠れながらお手洗いに向かった。



用を済ませて外に出るとなんだか町全体が騒がしい。
「何だ、何が起きたんだ?」
「わからないけど」
よく耳をすませると、麦わらとか追えとか殺せとか聞こえてくる。
もしかしなくても、船長達が追われているようだった。
「せんちょー達が追われてる!」
「えぇ!海軍か!?BWか!?」
多分どっちもと顔が引き攣る、チョッパーの顔も引き攣った。
これからどうするべきか、このままじっとしていても見つかるのは時間の問題だ。ひとまず皆と合流する事にし、隠れながら皆を探すことにする。
船長は大騒ぎしながら逃げているみたいで声が聞こえてきた。
「せんちょ―の声がするあのバナナの建物の方」
「ナミの香水の匂いもそっちからする」
ひとまずあの方角に行こうとチョッパーと一緒にナミちゃんが言っていた夢の建物へ向かうが、近づけば近づくほど海軍やBWの数が増えて行き身動きが取れなくなる。
物陰に隠れながら建物のあたりを伺うけれど中に入るには湖の橋を渡らないといけないみたいで、その周りには見張りが多くいる。あのまま言ったらすぐに見つかってしまうだろう。
「敵がたくさんいる」
「倒そうにも数が多くて俺たち2人じゃ無理だ」
どうしようと考えていると背後から聞きなれた足音と声がした。
「じゃあ3人で何とかしよう」
振り返ると眼鏡をかけたサンジがいた。頼れる人と会えほっとして二人して彼に飛びつく。
「サンジ〜おれ達不安だったんだ〜」
「うえぇ、無事でよかったよ〜」
皆中に入ったみたいで、出てこないんだと話すと、チビッ子二人で頑張ったなとチョッパーと私の頭を撫でてくれた。
「せんちょー達捕まっちゃたのかな」
「可能性は高いね」
だから俺たちで迎えに行こうとサンジは私の手をとって歩きだす。歩きながら彼は私とチョッパーに計画を教えてくれる。

計画その@
入り口あたりに居る敵をサンジとチョッパーで倒す。
その間私は隠れて橋を渡り中の様子をうかがう。

中は騒々しく何か機会とかあり人がそれに向かって遊んでいるようだ、ナミちゃんの言う夢の建物はなんかへんてこなもんばかりで想像していたものと違った。
その人達の会話で
「海軍」「海賊」「奥に行った」とか聞こえてきてやっぱり船長はこの中に居るみたいだ。
「シロちゃん中の様子はどう?」
サンジ達がこっちにやってきた。彼は一人ボロボロの男の人を抱えてる。その人どうしたのと聞くと、BWの人らしく次の作戦に必要なんだと答える。どうするのだろうと思ってるとこれから電話するんだけどシロちゃんは喋らないでねと口に指をあててシーとしているのにつられて自分も口に指をあてうんうんと頷く。

計画そのA
嘘の電話をする。

サンジがその男のポケットから小さな電伝虫をとりだし、男に電話をかけさせた。
電伝虫はしばらくしてどこかにつながったようでその向こうから女の人の声が聞こえる。
サンジはこの小さい電伝虫がうまく慣れてないのか男にちゃんと通じてるのかとか聞いているうちに、向こうから低い声が聞こえてきた。
「ああその声聞いたことがあるぜ…え〜こちら…クソレストラン」
そう言って電話の向こうの人と何か会話をはじめる。その様子をチョッパーと一緒に静かに見ている。
「サンジ誰とはなしてるのかな?」
「わかんねぇけど、きっとルフィ達を助けるのに大事な事なんだろうな」
そう話しているとサンジがこちらを向いて私に耳を塞ぐようにサインをした、どうしてだろうと思いながら言う通りに耳を塞いだ数秒後ズドンと拳銃の音が響いた。そして男にサンジを捕まえたと嘘の話をさせて電話をきった。
誰と電話していたのかと聞くと「クロコダイル」とサンジは笑って答えた。

計画そのB

クロコダイルをカジノから引き離して橋を落とす。

もうすぐクロコダイルはここに来る。彼をこの場から引き離すため。チョッパーが大きくなりサンジの上着を羽織って町中を走り回る。その間に私とサンジが中に入って皆の所に向かう、彼らが戻ってこないように橋は落とす。
此処が一番難しいところだと言われ、私もチョッパーも息をのむ。
逃げるチョッパーの顔が少しでも隠れるように頭の布をとり彼の顔や口元に巻く。
「チョッパー気を付けて」
「うん、二人も気をつけろよ」
そう言って物陰に隠れてながらチョッパーを見送った。

そして今最後の仕上げとサンジが橋を壊した。
「さぁシロちゃん中に行こう」
橋が落ちたことで騒ぎになっているカジノの中に入る。誰も私たちの事は気にも留めていないようで、あっさりと入ることができた。
何処から奥に進むのだろうと見まわしてると。
「橋が…落ちた!?」
そうこぼす声が聞こえた。
「サンジ、ビビの声が聞こえる」
あっちと彼の手を引いてそちらに向かうと、見慣れた後ろ姿があった、随分とぼろぼろのようで私たちにはまだ気が付いていない。
外へ出られないのと立ち尽くすビビにサンジが「全部作戦通り」と声をかける。
振り返って私たちを見つけた彼女は血だらけで何か酷いことをされたのがすぐ分かった。
「サンジさんシロさん」
「ビビ、大丈夫か?血だらけだ」
大丈夫よこれくらい、そういいながらもふらふらとしている彼女の肩をサンジが支えビビに皆の居る場所へと走り出す。
ビビが言うには船長達は奥の奥の部屋の檻の中に閉じ込められており、その部屋を水がどんどんと入ってきてしまっているらしい。
遅くなれば皆溺れてしまう。
「檻は壊せないの?」
「特別な石で出来てて、無理なの鍵もバナナワニに飲まれちゃって。」
ワニから鍵を取り出さないと助けられない。彼女の様子からそのワニも普通のワニじゃない事は想像がつく、船長達がいる部屋に向かう足を速める、そしてついた先の部屋には。
それは大きな大きなメリー号と同じくらいの大きなワニがいた。
「ビビちゃんとシロちゃんはそこに居て」
そう言ってサンジがそのワニにむかう
「食事中は極力音を立てません様に」


【反行儀キックコース!!!】
大きなワニが宙をまう、ビビと二人でそれを見上げた。
プリンス〜〜〜!!と泣き叫ぶ船長とウソップの声が檻の中から聞こえてくる。良かったまだみんな無事なんだと私も下におりてみんなの所に向かう。
「せんちょー!ナミちゃーん!」
シロお前も無事だったのか!そう喜ぶ船長と早くここから出してくれと泣くウソップ、鍵がワニの中という事だけはわかっているが部屋には何匹もいてどれがそのワニかわからない。
全部倒せば問題ないとサンジが足を振り上げた時船長と一緒に檻の中に居た男の人。
ナノハナで船長を捕まえようとしたモクモクの人が部屋に三番目にはいって来たワニが持ってると言った。
どうやら皆似ているようで声が違うらしい。言われた通りに三番目のワニをサンジが吹っ飛ばすとお腹から何か飛び出てきた。
でもそれは白い丸いものでとても鍵には見えない、なんだかあの白い感じどこかで見たことがあるような。
そう思っているとピシピシと中から何か出てきた。
「あっ」
それは良く見たことのある、できれば二度と会いたくない奴だった。


あの頭の3は嫌でもよく覚えている