×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -







32


ユバを目指して砂漠の大地を進む。

体がとっても軽い。
空は青いし、太陽はまぶしく輝いて自分たちを照らしてくれる。
砂の地面だから歩きづらいけれどそんなことは大した頃はない。
あぁ本当に、今日はとっても
「いい天気だなー」
「シロ!行き過ぎ!あんたちょっと止まりなさい!!」
振り返るとナミちゃんが私を呼ぶのが聞こえる。
みんなと同じ速度で歩いていたはずなのに気が付けば先頭に来ていたらしい。気持ちのいい天気だからつい足が速くなってしまったのかも。随分と後ろの方にみんな居た。もしかしていつもより皆の歩く速度が遅いかも、どうしてだろう。
このまま先に言ってもしょうがないから言われた通りにその場で船長たちが追いつくのを待つ。
「遅いよー早くおいでよー」
と手を振ってみると、「おめーが早すぎるんだァ!」とウソップの声が聞こえる。
なんで怒ってるのだろう。

「シロお前なんでそんなに平気なんだよ。船に居る時よりも元気なんじゃねえか。」
俺はこんなにあちーのにとウソップが杖を突きながら不思議に私に聞いてくる。
そう言われても、私からしたら、みんながそんなにつらそうなのがわからないので、なんでそんなに疲れてるの?と逆に聞いてしまう。
「そりゃこんな温度だからに決まって…」
お前暑くないのかと聞かれたので全然と答える。
「サラマンダーは本来火山帯や溶岩地帯に生息する竜だから、シロさんにとっては砂漠の気温なんてなんてことないのね。」
適温とまではいかないけど、いつもより過ごしやすいのかもとビビが額の汗をぬぐう。
皆にとってはここの気温はかなりつらいようで、チョッパーはゾロに引っ張ってもらっているみたいだ。なんかごめんねと言うとうらやましいやつだと船長とウソップが私の頬を引っ張る。痛いからやめてほしい。
「シロ、ルフィの水の樽あんたが代わりに持ってくれる?この中で一番喉かわかないでしょ」
ルフィに任せるより、あんたが水の管理したほうが安心だわとナミちゃんが提案する。それにたいして皆賛成のようで、船長が失敬なやつだなと口をとがらせながらも、私へ水の樽をかけてくれた。
新たに水の樽係になったところで、再び先に進むことにする。早速船長が水を欲しがって、飲みすぎだとウソップに怒られた。

「シロ〜水〜」
「せんちょー6回目。」
飲みすぎだよと言うと。お前が飲んでない分を俺が代わりに飲むからと良く解らないこと言いだしてしまい、うえぇと返答に困ってると。見かねたナミちゃんが口に含む程度ならとルフィに樽を渡すように私に言ったのだが。船長の一口は皆とは違う事を忘れていた。
ぐびっと両頬が膨れるほど口に含んだ。
慌てて樽を取り戻して残りを確かめると想像以上に減ってた。
うえぇぇ、どうしようユバまで持つかなとビビに聞くと、まだ四分の一しか進んでいないようだ。
「困った」
「これからの飲む量を調整しましょう。」
そうビビと水の計画を立ててる後ろで、船長がナミちゃんやサンジ達にとても怒られていた。
今日はなんだかみんな怒りっぽい。

*
列の一番後ろで、船長が重い、重いと全部の荷物を運んでいる。彼が提案したジャンけん負けたら荷物を持つというやつで一人だけ負けてしまったのだ。
「私も持ってもらってよかったのかな」
「あいつが言い出したことなんだから気にすんな」
さっさと行くぞとチョッパーを引きながらゾロは気にしていない様子で先を行く。
他のみんなも落とすなよとか黙って運べと船長の心配はしていない。
船長ってすごく船長らしくないなと思う、何処の船もそうなのだろうか。うちだけなのだろうか。

しばらく進むと一番前を歩いていたウソップが遠くの方で日陰になりそうな岩場を見つけた。
そこまで言ったら休憩にしてご飯にしようとビビが言った瞬間、船長の目がカッと開いて、私を追い越し、皆を追い越して真っ先に岩場に走っていった。
「速ェな」
「せんちょー元気じゃん」
心配して損したとつぶやいていると、岩場からこちらからまた戻ってきた。ウソップと目を丸くして船長が戻ってくるのを見ていると。
岩場に怪我した鳥が沢山居たらしく、チョッパーに診てほしいと慌てて戻ってきたみたいだけれど、ビビがその言葉に慌てだした。
その鳥はサギらしい。その名の通り、詐欺をする種類らしく、急いで岩場のところに向かうと。
船長にお願いしていた荷物が全部なくなっていた。三日分はあった食べ物とか何もかも無くなっている。
あまりの出来事で全員がパニックになっていると、遠くの方でそのサギがこちらを見ながら水をごくごく飲んでいた。
騙されたことに怒った船長が鳥たちを追いかけてそっちへ走って行ってしまうが、またこちらに走ってもどってきた。
何かさっき同じことが起きた気がする。
船長の後ろに見たことない大きなトカゲがやってきた。船長は何か問題を連れてくるのが上手いなと思いながらトカゲが、船長、ゾロ、サンジに一発に倒されるのをナミちゃんたちとながめていた。

腹ごしらえはトカゲのお肉!