×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -







31



―できの悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ、おめえらもコイツにゃ手ェ焼くだろうがよろしく頼むよ。

エースは船長にある紙を渡すとすぐに自分の船に戻った、彼は誰かを追いかけてるようで、そのためにこちら側まで逆走してきたようだ。もう少しゆっくりしていけばいいのに、残念だ。
船長と一緒に柵から身を乗り出してエースを見送る。
「えーと、シロだったか、お前もルフィの事よろしくな」
「まかせろー!海は広いからまた会えるよね。」
エースはそうだなと答えた。そして
「次に会う時は海賊の高みだ」
そう船長に言うと船を出発させた。小さくなっていくその姿に船長と「またな――!」「バイバーーーイ!」と大きく手を振る。
私たちの後ろで皆がエースがまともだとか、ルフィのお兄さんじゃないとかいろいろ言っているけれど。
二人とも笑った顔が一緒なのみんな気が付かなかったのかな。

*
「はいシロさんこれに着替えて」
そういってビビは私に新しい服をくれた。砂漠は50度を超えると事で、恐らく私は平気だと思うが、逆に目立つとのことらしい。確かに暑くてもそうじゃなくても着ておいた方が見つかる可能性が低いほうが良い。
さっそく渡された服を着てみた。
着てみたのだが…
「ナミちゃんたちと違う…」
これ男の子用だ…と自分の服を見下ろして口をとがらせる。
今の私は、頭にターバンと言う布、青い上着、白いズボン、こないだ本に出てきた主人公のような服装なのだ。ランプを持っていればきっとその主人公の男の子そのものだ。
「仕方ないわよ、あんたの角隠しと合わせたらそうなったのよ、いいじゃない動きやすいでしょ。」
第一上も下もあんたに合うサイズないんだからとナミちゃんが呆れたように言う。
上も下も…といわれ自分のぺったんこの胸とナミちゃんのを見比べる。わかっていたわかってはいたが。
「わたしも綺麗な服着たかった…」
そのまま頬を膨らませて床に転がっていると、ビビが地図を持ってやって来た。
「シロさん全部終わったら、可愛い服買いにいきましょう」
だから今はそれでねと私をなだめる。
終わったら一緒に買いに行こうと約束をして、起き上がる。
ビビはみんなに見えるように地図を広げるとある場所を指さした。
「目的地はここ!!ユバという町サンドラ河を抜けてこの町を目指すわ!!」
その街に【はんらんぐん】という人たちが居てその人たちを説得しにいくらしい。【はんらんぐん】というのが良く解らないのでナミちゃんに説明してもらっていると。
ゾロが70万人いる人たちが止まるのか?と口にする、その言葉にビビは止めるのだと答えた。
ユバまでの道ですべてBWのすべてが解ると、彼らが何をしてきたのか。これから何をするつもりなのか。
彼女の絞り出す言葉に全員ユバへと足を進めた。

*
「別名は雨を呼ぶ粉」

ユバを目指すために降り立った町は誰も居ないボロボロの姿をしていた。
そこにはクンフージュゴンという生き物しかいなく、ビビが言うには緑の町だったそうだ、数年前までは。それが枯れ落ちてしまった発端。
この事件の原因がダンスパウダー、ナミちゃんが言うに雨を降らす、使い方によっては幸せも悪魔も呼んでしまう物だった。
何者かによってその粉がアラバスタに運び込まれ、そして悪魔のような事件がこの国で起きてしまったのだ、何者とは誰か?それが【クロコダイル】
あの施設を壊して私を引きずり出すように指示したのもその人らしい。
ビビは落ちていた人の頭蓋骨を抱えるその手は震え居てた。
「私は!!!あの男を許さないっ!!!」
その声と共に建物がいくつか壊れた。船長達だ。
船長は真っ直ぐ前を見つめてさっさと先に進もうと拳を鳴らす。
町を出る前に、ビビと骨を風の当たらないところにおいてあげた。最後にコップ一杯のお水をそばにそなえる。
もう喉が渇くことがありませんように、そう願って手を合わせる。
「ありがとうシロさん」
ビビは私の手をとると、行きましょうとみんなのところへと向かう。
私たちは、この先これよりも嫌な風景をたくさん見るんだろうな、そしたらこの優しい手の彼女はどうなってしまうのだろう。

どうか彼女の心が枯れませんように