6日目 | ナノ

6日目 了


「あと…、2日……」

ライムの声が響いた。3人とも肉体、精神共に疲労のピークだ。
それなのに

「アルダノーヴァ、か……」

よりによってこいつ。
死亡フラグとかいうレベルでないのは確かである。

「でも…やるっきゃないっしょ」
「だな」
「うん」
「ああ」

リオウの言葉に皆同意を示した。
流石ここまで生き残っただけある。精神力は並の人の比ではないだろう。

「さあ、あと2日。生き残ろう!!」

「「「おう!!」」」





・・*・・*・・*・・





「くっ……」
「やっぱ一筋縄ではいかせてくれないか…」

土埃が舞い上がり視界が悪いが、今少しでも気を抜けばやられる。
全員リンクエイドは使用済みでいつだれが死んでもおかしくないのだ。
そんな中均衡していた戦況が一転した。
銃声が響きアルダノーヴァが悲鳴をあげる。

「やった!部位破壊!」

ライムがアルダノーヴァの髪を破壊したようだ。痛みなのか、憎しみなのか、アルダノーヴァが悲鳴を上げ、暴れ始める。

「たたみかけるぞ!!」

川崎の声に全員一斉に動いた。







しかしそう簡単に勝たせてくれるわけがなくまたしばらく攻防は続いた。攻撃パターンを読み、連携しながらじわじわと体力を削る。
そして……

「くたばれええええええっ」

奴が倒れた事で再び土埃が舞った。







「やった…の?」

全員が気を抜いた瞬間、


リオウの顔に赤が散った。







散った赤が血であること、そしてその血はリオウのものではないことに気付くのに時間はかからなかった。
リオウの目の前には血だまり。きれいだった金髪は赤に染まっていく。


「ラ…イム?」
「ライム!!」

土埃の先にあるのはアルダノーヴァの男神のほうだった。つまり女神の方はまだ生きている。
即座に女神を視界に捉え、神機で切り裂いた。



「う……あ…あぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

あたりにリオウの叫び声が響いた。






・・*・・*・・*・・






「ごめんな。リオウ、川崎」

涙をぬぐうこともしないでソラの方へ視線を向ける。が、予想していなかった光景に目を見開く。

「蒼…ぜ、ん…おま…え…」
「シュン……タロ…」

お前を生かしておくわけにはいかないんだ。

そう言いながら川崎の身体から神機を抜き取るソラ。支えを失った川崎の身体は地に伏し、ソラの神機は、彼女の髪のように美しい銀だった刀身は真っ赤に染まっていた。

「ソラ…何、やって…」
「何って、見てわからない?殺しただけさ」

その冷徹な目が私を射抜く。まるで別人のようだ。

「さぁて、明日の準備をしようか」
「準備って、なに」

無理矢理出した声は酷く掠れていた。

「オレとお前の最後のデスゲームさ。どちらかの命が尽きるまで続く死のゲーム」

笑いながら言うソラに寒気を感じた。目の前にいるこいつは…誰だ?

「……狂ってる」

思わずそう呟くと鼻で笑われた。

「オレに対するお前の意見はどうでもいいんだよ。あと、勘違いされると困るから言っておくけどオレはこのくそみたいなゲームの犯人ではないよ。あくまでオレも犯人の掌で踊らされている道化に過ぎない」

更に質問をしようと口を開くと無駄話は終わり、とでも言うように神機を握りなおしたソラ。

反射的に私まで神機を握りなおしてしまった。

「安心しろ、まだやんねえから。それに明日やれば終わる」

ひとまずはな、と続けたソラの言葉に思考が止まった瞬間ソラは神機を振り上げ……





















自分の右腕を切り落とした。

「!?」
「ぐっ……ぁあぁぁああぁぁぁぁぁああっ!!」

ソラは悲痛な叫びを上げ、黒い何かに包まれるようにして姿を変えた。

その姿は

「ハンニ……バル…」

しかも侵食種だ。

多くの疑問が湧く中、ソラは消え入りそうな声で、でも確かな意思をもって言った。

『明日もう一度ここに来い。そしてオレを…

殺してくれ』







―残り 2人―


*捕捉*
ソラが神機で自分の腕を切り落としアラガミ化するシーンですが、
ソラ達の右手首にある痣はGEでの腕輪と同じ役割を担っています。

そのためオラクル細胞を制御するものがなくなり細胞は暴走してアラガミ化を起こしました。

急激にアラガミ化したのは本人の意思です。

わかりにくい説明で申し訳ありません。

でわでわ。

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