感じるのは君の唇
(DC2?オミ×カゲ)
「花で飾りたくなる気持ち…分かるかも」
カゲミツの美しさに見とれ、思わずそんな言葉を継いでいた。
「金色の髪がキラキラしていて綺麗だね」
あの時から、カゲミツに惹かれていた。
「そうですね」
となりの少年がそう答える。
「でも、口が悪い方が面白い」
「口は悪いの?」
「ええ、そりゃもう。さっきも、思わず唇で塞いだほどです」
それを聞いて感じた感情はなんだったのか。
心臓の鼓動が早くなるのだけは、はっきり感じる。
「えっと…。あなたは…」
「キヨタカです」
「キヨタカさんは、…カゲミツにキスをしたの?」
「ええ」
「どうして? 男同士なのに?」
男同士でするキスはどんな感情が込められているのだろう。
とても気になった。
「それは…西洋人形様があまりに可愛いので」
「それで…どうだったの? キスしてよかった?」
「気になりますか?」
「……はい」
「してみる?」
「え?」
「フジナミのお坊ちゃんは、彼にはない魅力の持ち主だ。そういうのにもそそられる」
そういいながら、キヨタカが俺の顎に手を添えるとそっと顔を近づけてくる。
優しいキス…と思ったのは一瞬で。
その後は、ねっとりと濃厚な口付けを何度も受けた。
「んっ……ふ……んん」
腰が砕けるような、感じるキス。
だけど、キスをしながら、俺が感じていたのは、キヨタカがさっきまで合わせていたカゲミツの唇の事ばかりだった。
あの唇に直接触れられたら…。
もっと、いいに違いない。
* * *
「なあ…。カゲミツ…キスしていい?」
「え…?……んっ……」
返事をする暇も与えず、そのまま濃厚なキスを交わす。
あの時、考えていたのはカゲミツの事ばかりだったのに。
今、こうやって、二人で幸せに過ごしている時にあの時のキスを思い出すなんて。
「ん……はぁ……ぁ……。何をいきなり……」
「どうだった?」
「どうって……」
そう言いながら、少し考えこみ。それからすごく嫌そうな顔をした。
「……なんか、すごく嫌なキスを思い出した」
「ぷっ……。そうなんだ。…覚えてるんだ」
「…つか、なんでお前が……」
「ふふ…聞きたい?」
「……いや、聞きたくない。嫌な予感がする」
「ごめんごめん。ちょっと、昔の事思い出してさ。……あの時からお前の事好きだったんだなあって思ったら、思わずしちゃった」
「……まさか、お前も……」
「あー。忘れて忘れて。…というか、今度は俺のキスで忘れさせてあげるから」
そう言いながら、今度は自分のキスで……。
カゲミツを溶かしていくことにした。
2010/05/06
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